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No.246(2025/11/21):【医療法人会計⑥】引当金の会計処理――貸倒引当金・退職給付引当金と「負債総額200億円未満」の簡便的取扱い

2025年11月21日
読了時間: 3分


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。



毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

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本シリーズ「病院会計準則から医療法人会計基準へ」(全10回)の第6回です。今回は、引当金の会計処理――貸倒引当金・退職給付引当金と「負債総額200億円未満」の簡便的取扱いについてお伝えします。



前回まで、病院会計準則から医療法人会計基準への移行の全体像と監査への備えをお伝えしてきました。今回からは、実務で判断に迷いやすい個別の会計論点を、一つずつ確認していきます。最初は引当金です。


医療法人会計基準の運用指針では、引当金とは、将来の特定の費用または損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に計上するものとされています。この四つの要件は企業会計と共通です。その計上基準は重要な会計方針として記載することになりますが、引当金のうち重要性の乏しいものについては、重要性の原則の適用により、これを計上しないことができるとされています。


まず貸倒引当金です。未収金、貸付金等の金銭債権のうち徴収不能と認められる額がある場合には、その金額を合理的に見積もって計上します。ここで実務上の負担を軽くする取扱いが用意されています。前々会計年度末の負債総額が200億円未満である医療法人については、法人税法における貸倒引当金の繰入限度額相当額が取立不能見込額を明らかに下回っている場合を除き、その繰入限度額相当額を貸倒引当金に計上することができるとされています。多くの医療法人にとっては、税務上の繰入限度額を用いる処理が認められる、ということになります。なお、貸借対照表で債権から貸倒引当金を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該債権の債権金額、貸倒引当金および当該債権の当期末残高を注記することが求められます。


次に退職給付引当金です。退職給付に係る見積債務額から年金資産額等を控除したものを計上し、その計算は退職給付に関する会計基準に基づいて行います。ここでも二つの特例があります。第一に、この会計基準の適用に伴う新たな会計処理の採用により生じる影響額、いわゆる適用時差異は、通常の会計処理とは区分して、適用後15年以内の一定の年数または従業員の平均残存勤務年数のいずれか短い年数にわたり、定額法により費用処理することができます。第二に、前々会計年度末日の負債総額が200億円未満の医療法人においては、簡便法を適用することができます。適用時差異の未処理残高や、原則法を適用した場合の退職給付債務等の内容は注記が必要です。


たとえば、負債総額が150億円の医療法人が移行するケースを考えてみましょう(金額は説明のための仮の例です)。この規模であれば、貸倒引当金は税務上の繰入限度額相当額を用い、退職給付引当金は簡便法によることが可能です。ただし、いずれも「使える」だけであり、自法人の実態に照らして合理的かどうかの検討と、方針の文書化は欠かせません。次回は、固定資産の減価償却とリース取引を取り上げます。



医療法人会計基準の個別論点(引当金、固定資産・リース、純資産、補助金、税効果など)の判断や、経理規程・会計方針の整備にご不安があれば、医療法人の会計に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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