No.243(2025/10/24):【医療法人会計④】移行実務の論点――勘定科目の組替え、関係事業者との取引、附属明細表・財産目録

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本シリーズ「病院会計準則から医療法人会計基準へ」(全10回)の第4回です。今回は、【第4回】移行実務の論点――勘定科目の組替え、関係事業者との取引、附属明細表・財産目録についてお伝えします。
今回は、移行を実際に進めるうえでの実務論点を取り上げます。
まず取り組むことになるのが、勘定科目の対応関係の整理です。病院会計準則の勘定科目と、医療法人会計基準で求められる表示区分は、名称や区分の粒度が必ずしも一致しません。医業収益や医業費用の区分、本部の費用の扱い、施設ごとに設けていた科目の集約など、どの科目をどこに割り当てるのかを一覧にした対応表を作り、法人内で共有しておくと、その後の作業が格段に楽になります。
次に、会計処理そのものの見直しです。有形固定資産の減価償却、リース取引の処理、退職給付に係る引当て、有価証券の評価、貸倒引当金の見積り、そして控除対象外消費税の扱いなど、金額的な影響が大きい項目については、法人としての会計方針を明確に定め、施設間で処理がばらついていないかを点検する必要があります。移行のタイミングは、こうした方針を統一する好機でもあります。
そして医療法人特有の論点として重要なのが、関係事業者との取引です。医療法人では、理事長やその親族が関与する会社、いわゆるMS法人などとの間で、給食委託や医療機器のリース、不動産の賃借といった取引が行われることがあります。こうした関係事業者との取引については、その状況を明らかにすることが求められており、取引の内容や条件が妥当であるかは、外部の目からも関心の高い論点です。日頃から契約書や取引条件の根拠資料を整えておくことが大切になります。
作成すべき書類としては、貸借対照表と損益計算書に加え、注記、附属明細表、財産目録があります。附属明細表では固定資産や借入金、引当金などの内訳を示すことになりますので、日々の帳簿がその粒度で整理されているかを、早めに確認しておきたいところです。
例えば、給食業務をMS法人へ委託している法人であれば、その委託料が近隣の相場と比べて妥当か、契約書が整っているか、理事会での決議は残っているかといった点を、移行の作業と並行して点検しておくとよいでしょう。次回は、いよいよ監査そのもののポイントを整理します。
病院会計準則から医療法人会計基準への移行、自法人が監査対象になるかの判断、監査対応にご不安があれば、医療法人の会計に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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