No.227(2025/03/21):【不特法と監査⑧】監査報酬の相場と、何で決まるのか(“高い”の正体)
- DAIMON STAFF
- 2025年3月21日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。
(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによるメールマガジンの転載となります。
大門綜合会計事務所への会計監査等のご依頼・料金相場・価格表等はこちらから。)
本シリーズ「不動産特定共同事業法と監査」(全10回)の第8回です。今回は、監査報酬の相場と、何で決まるのか(“高い”の正体)についてお伝えします。
第8回の今回は、不動産特定共同事業の会計監査にかかる「監査報酬」を取り上げます。監査をご検討いただく際、多くの経営者の方が最初に気にされるのが費用であり、同時に「なぜこの金額になるのか分かりにくい」と感じられる部分でもあります。報酬の決まり方を理解しておくことは、適正な見積りを見極め、無用な高止まりや、逆に安さに潜むリスクを避けるうえで欠かせません。
監査報酬は、突き詰めれば監査に必要な「工数」、すなわち監査人が手を動かす時間の積み上げで決まります。決算書の数字が正しいという心証を得るために、どれだけの証拠を、どれだけの深さで確かめる必要があるか。その作業量が報酬の土台となります。ですから報酬を左右するのは、会社の知名度でも資産規模そのものでもなく、確かめるべき対象の多さと複雑さである、とまずご理解ください。
工数を押し上げる要因は、いくつかに整理できます。第一に事業規模とスキームの複雑さです。出資の仕組みが幾重にも重なり、関係当事者が多いほど、確認すべき契約関係や資金の流れが増えます。第二に物件数です。保有・運用する不動産が多ければ、評価や賃料収入、減価償却などの検証範囲がそのまま広がります。第三に出資者数です。多数の投資家への分配計算や持分管理が正しく行われているかは、不特法事業の監査で特に重視される領域です。加えて、会社の内部管理体制が整っているかどうかも大きく影響します。記帳や証憑の管理がしっかりしていれば監査人は効率的に確認を進められますが、体制が弱ければ確かめる手続が増え、その分だけ工数がかさみます。事業に内在するリスクの大きさも、深掘りの程度を通じて報酬に反映されます。
逆に申し上げれば、特別目的会社などを用いた比較的シンプルなスキームで、物件や当事者が限られ、管理体制が整っている案件は、監査も効率的に進みやすく、報酬が過度に膨らみにくい傾向があります。同じ「不特法の監査」でも、案件ごとに必要な手間が大きく異なるため、具体的な金額は一概には申し上げられません。実際の報酬は、事業の中身を拝見したうえでの見積りによって定まるものとお考えいただくのが正確です。
ここで注意していただきたいのが、報酬の安さだけで監査人を選ぶ落とし穴です。本来必要な手続を省けば工数は下がりますが、それは確かめるべきことを確かめていない監査につながりかねません。監査は、投資家や取引先、行政に対して「この決算は信頼できる」と示すための仕組みです。形だけ整えた監査は、いざというときに会社を守ってくれません。費用は金額の多寡ではなく、事業の実態に見合った手続が組まれているか、得られる信頼に対して妥当か、という費用対効果の視点で捉えていただくことをお勧めします。
不特法事業で会計監査が必要かどうかの判断や、初めての監査対応のご不安は、不特法・SPCに精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・保証業務、初回のご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




コメント