No.258(2026/06/12):外国人旅行者向け消費税免税制度の即時免税からリファンド方式への見直しと実務対応
- DAIMON STAFF
- 3 日前
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こんにちは
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第222回の今回は税務通信より外国人旅行者向け消費税免税制度の即時免税からリファンド方式への見直しと実務対応についてご紹介します。
今週の税務通信 No.3903(2026/06/08)で、外国人旅行者向け消費税免税制度の見直しと、令和8年11月から始まる「リファンド方式」が取り上げられています。インバウンド需要が回復し、免税販売を行う小売業が広がるなかで、制度の根幹が大きく変わる改正です。免税店を営む事業者だけでなく、観光客の来店が見込まれる飲食・物販の現場にも関わりますので、今回はこの見直しの背景と実務上の留意点を整理します。
まず現行制度を確認します。これまでの輸出物品販売場制度では、外国人旅行者が免税店で対象物品を購入する際、その場で消費税相当額を差し引いた価格で販売する「即時免税方式」が採られてきました。旅行者は購入時点で税抜価格を支払い、出国時に税関でパスポート情報等が確認される仕組みです。来店客にとっては分かりやすく、購入時に負担が軽くなるメリットがありました。
一方で、この方式には以前から課題が指摘されてきました。免税で購入した物品が国外に持ち出されず、国内で転売されるという不正・濫用です。即時免税では、出国の事実が確認される前に免税という利益が確定してしまうため、実際には持ち出されていない物品についても消費税が課されないまま流通してしまうおそれがありました。出国時の確認と免税のタイミングがずれていることが、構造的な弱点だったといえます。
そこで導入されるのが、令和8年11月から始まるリファンド方式(還付方式)です。基本的な考え方は、購入時にはいったん消費税込みの価格で販売し、旅行者が出国する際に物品の持ち出しを確認したうえで、消費税相当額を旅行者に還付するというものです。免税という利益を「出国の確認」と結びつけることで、実際に国外へ持ち出された物品にのみ免税が及ぶようにし、不正転売の余地を狭める狙いがあります。海外の付加価値税還付制度に近い発想への転換ともいえます。具体的な還付の手続や、還付を担う主体、確認方法の細目については、詳細は税務通信本誌をご確認ください。
この転換は、免税店を営む事業者の実務に少なからぬ影響を及ぼします。第一に、レジ・販売システムへの対応です。これまでは購入時に税抜価格で販売していたものを、税込価格での販売に切り替える必要が生じます。価格表示や会計処理、レシートの様式など、システムの改修やオペレーションの見直しが避けられません。第二に、店頭での顧客対応です。旅行者にとっては「購入時にいったん税込で支払い、後で還付を受ける」という流れになりますので、その仕組みを店頭で正しく案内できるよう、従業員への周知や多言語での説明体制を整えておくことが重要になります。
第三に、キャッシュフローと顧客心理への配慮です。即時免税では購入時の支払額が税抜で済んでいたのに対し、リファンド方式では旅行者が一時的に消費税分を立て替える形になります。高額商品ほど一時的な支払負担が大きくなりますので、購買行動への影響や、還付までの流れに対する不安にどう対応するかが、販売の現場では論点になり得ます。たとえば、家電や時計、化粧品をまとめて購入する旅行者にとっては、その場での支払額が従来より大きくなる点をあらかじめ説明しておくと、トラブルを避けやすくなります。
会計・税務処理の観点でも、整理しておくべき点があります。販売時にいったん消費税を含めて受領し、後日その相当額が旅行者に還付されるという流れは、売上の計上や仮受消費税の取扱い、還付に伴う精算の処理に従来とは異なる扱いが生じる可能性があります。免税売上として処理するタイミングや、還付事務に関与する場合の事業者の役割など、自社がどの立場でこの仕組みに関わるのかによって会計処理は変わってきますので、施行前に顧問税理士と処理方針をすり合わせておくことをお勧めします。この点も、制度の細目は本誌や国税庁の公表資料で確認したうえで判断する必要があります。
今後の影響として、いくつかの方向性が考えられます。一つは、不正転売対策が強化されることで、免税制度全体の信頼性が高まり、健全に運営してきた事業者にとってはむしろ事業環境が安定する面があるという点です。もう一つは、制度対応のための初期コストです。システム改修や人員教育の負担は中小の小売業ほど相対的に重くなりがちですので、令和8年11月という施行時期から逆算し、早めに準備に着手することが肝要です。免税販売の比率が高いドラッグストアや百貨店、観光地の物販店などは、繁忙期と改正対応の時期が重ならないよう、スケジュールを意識した準備が望まれます。
実務上の留意点を改めて整理しますと、第一に、自社が免税販売を行っている場合、現在の即時免税方式からリファンド方式への移行に向けて、販売システム・価格表示・接客フローの見直し計画を早めに立てること。第二に、会計・消費税処理の変更点を顧問税理士と確認し、決算や申告への影響を事前に把握しておくこと。第三に、旅行者への説明体制を整え、支払いと還付の流れを正しく伝えられるようにしておくことです。
インバウンド需要は引き続き多くの事業者にとって重要な収益源です。今回の見直しは、その免税販売の仕組みを根本から変えるものですので、施行までの限られた期間で着実に準備を進めることが、円滑な移行の鍵となります。具体的な手続や処理の細目については、詳細は税務通信本誌をご確認いただいたうえで、不明点は早めにご相談ください。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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