No.205(2024/05/03):【ゼロ連結④】実務でつまずく論点――連結範囲の判定と見落としリスク
- DAIMON STAFF
- 2024年5月3日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
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本シリーズ「ゼロ連結(連結範囲の判定)」(全5回)の第4回です。今回は、実務でつまずく論点――連結範囲の判定と見落としリスクについてお伝えします。
連結の対象とすべき会社をどこまで含めるか、つまり連結範囲の判定は、実務で最もつまずきやすい論点のひとつです。連結財務諸表に関する会計基準では、ある会社が他の会社の意思決定機関を実質的に支配しているかどうか、いわゆる支配力基準によって判定します。議決権の過半数を持っていれば分かりやすいのですが、難しいのはそうではない場合です。
たとえば、株式をまったく保有していない、あるいは少ししか持っていないために、関係会社の存在そのものが見落とされてしまうことがあります。出資割合だけを基準に管理していると、こうした会社は管理台帳から漏れがちです。しかし会計基準は、議決権が過半数に満たなくても、役員や使用人が取締役会の構成員の多くを占めている場合、重要な財務・営業の方針を決定づける契約が存在する場合、資金調達総額の多くを融資や債務保証によって支えている場合など、実質的に支配しているといえる事実があれば連結の対象になり得るとしています。形式的な持株比率では見えない支配関係に注意が必要だということです。
加えて、自己の議決権だけでなく、緊密な者や同意している者が保有する議決権を合わせて判断する点も見落とされやすいところです。緊密な者とは、出資や人事、取引などの関係から自社の意向に沿って議決権を行使すると認められる者を指し、同意している者とは、自社の方針に賛同して同じように議決権を行使することに同意している者を指します。これらを合算すると過半数に達し、支配していると判定されるケースがあります。自社が直接握っている議決権だけを見ていては、判定を誤るおそれがあるのです。
こうした判定は、結論だけでなく、なぜその結論に至ったのかという根拠を文書化しておくことが実務上きわめて重要です。役員の兼任状況、契約の内容、資金支援の状況、関連する者の議決権をどう評価したのかを整理しておかなければ、後から判定の妥当性を説明できません。
連結範囲の判定を誤り、本来連結すべき会社が漏れていれば、グループ全体の財務諸表の信頼性が損なわれます。これは会計監査においても重要な検討事項となりますし、上場準備やM&A、グループ再編といった場面では、過去にさかのぼって判定の適否が問われることも少なくありません。自社のグループに、持株比率だけでは測れない関係会社が隠れていないか、一度立ち止まって確認してみる価値は十分にあるといえるでしょう。
自社の連結範囲の判定(子会社に該当するか、ゼロ連結の論点を含む)にご不安があれば、連結に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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