No.204(2024/04/26):【ゼロ連結③】議決権50%以下でも連結が必要なケース――実質支配の3類型
- DAIMON STAFF
- 2024年4月26日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
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本シリーズ「ゼロ連結(連結範囲の判定)」(全5回)の第3回です。今回は、議決権50%以下でも連結が必要なケース――実質支配の3類型についてお伝えします。
連結の対象となる子会社かどうかは、株式の持ち分が過半数あるかどうかだけで決まるわけではありません。企業会計基準第22号が採用する「支配力基準」では、他の会社の意思決定機関を実質的に支配しているかどうかで判断します。したがって、議決権が50パーセント以下であっても、実質的に支配していると認められれば、その会社は子会社となり、連結の範囲に含めなければなりません。
基準は、議決権が40パーセント以上50パーセント以下の場合などについて、支配が認められる典型的なケースをいくつか示しています。
第一に、親会社が持つ議決権に、親会社と緊密な関係にある者や、親会社の役員などが保有する議決権を合算すると、合わせて過半数となる場合です。形式的には親会社単独で過半数に届かなくても、一体として行動すると考えられる人々の議決権を足し合わせれば過半数を握っている、という状況です。
第二に、役員の派遣や取引関係などを背景に、その会社の重要な財務・営業・事業の方針決定を支配する契約等が存在する場合です。出資の多寡とは別に、契約や取り決めを通じて経営の根幹を左右できるのであれば、支配があると評価されます。
第三に、その会社の資金調達額の総額のうち、過半について親会社が融資を行っている場合です。ここでいう融資には、直接の貸付けだけでなく、債務保証や担保提供といった信用供与も含まれます。資金の生殺与奪を握っていることが、支配の一形態とみなされるわけです。
とりわけ見落とされやすいのが、第一の類型の延長線上にある状況です。極端な例を挙げますと、親会社がその会社の株式をまったく保有していなくても、親会社の役員が個人として相手先の議決権の過半数を持っていれば、合算によって過半数の議決権を支配していることになり、連結が必要になり得ます。出資ゼロでも連結対象となる、いわば「ゼロ連結」が現実に起こるのです。オーナー経営者やその親族が複数の会社の株式を個別に保有しているようなグループでは、各社の資本関係だけを眺めていると、本来連結すべき会社を見落とす恐れがあります。
自社には関係がないとお考えの場合でも、役員個人の持ち株、取引先との契約、グループ内の資金繰りまで視野を広げると、思わぬ会社が連結の検討対象に浮かび上がることが少なくありません。形式ではなく実質で捉える――この視点こそが、支配力基準を正しく適用するうえでの出発点となります。
自社の連結範囲の判定(子会社に該当するか、ゼロ連結の論点を含む)にご不安があれば、連結に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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