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No.284(2026/10/02):2026年9月の日銀短観~大企業製造業6期連続改善、非製造業は5期ぶり悪化~

10月2日
読了時間: 4分


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。



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今回は、2026年9月の日銀短観~大企業製造業6期連続改善、非製造業は5期ぶり悪化~についてお伝えします。



日本銀行は2026年10月1日、全国企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観の2026年9月調査の結果を公表しました。製造業3,776社と非製造業5,328社の合計9,104社を対象とした調査で、回答率は99.4パーセントでした。今回は、この9月短観の内容と、経営や経理の実務にどう結びつくのかを整理します。


まず注目された大企業製造業の業況判断指数は、プラス24となりました。前回6月調査のプラス22から2ポイントの改善で、改善は6期連続です。水準としては2018年3月調査と並ぶ、およそ8年半ぶりの高さにあたります。もっとも、市場予想がプラス25であったため、改善はしたものの予想には届かなかった、という受け止め方もされています。


業種別に見ると、改善を牽引したのは人工知能関連の需要の広がりです。生産用機械、電気機械、素材といった業種が全体を押し上げました。石油・石炭製品も大きく改善しており、サプライチェーンの混乱が和らいだことが背景とみられています。一方で、自動車、木材・木製品、食料品は悪化しました。2026年7月に発生した令和8年熊本地震や台風に伴う減産の影響がみられたとの分析に加え、中東情勢を背景としたコスト上昇の影響も指摘されています。全体としては改善でも、業種によって明暗が分かれている点が今回の特徴です。


これに対して大企業非製造業は、プラス35と前回から2ポイント低下し、5期ぶりの悪化となりました。燃料費や人件費といったコストの増加が重しとなり、宿泊・飲食サービスや小売など、個人消費に関連する業種を中心に景況感が後退しています。製造業が改善する一方で非製造業が悪化するという、これまでとは逆方向の動きが生じたことになります。なお、中小企業製造業はプラス14で、6月調査のプラス9から改善しました。


先行きの見通しは慎重です。2026年12月までの業況判断指数は、大企業製造業でプラス21、大企業非製造業でプラス30と、いずれも足元の水準を下回る見込みとなっています。背景には、原油価格の高止まりによるコスト増への懸念と、金利上昇に伴う資金調達コストの増大や需要の下押しへの警戒感があります。日本銀行は9月17日から18日の金融政策決定会合で政策金利を1.25パーセント程度に引き上げており、今回の調査では利上げの影響の織り込みは限定的であったとみられます。つまり、金利上昇の影響は今後の調査で表れてくる可能性があります。


では、この結果を経営や経理の実務にどう活かすか。ポイントは三つあると考えます。第一に、コスト増の転嫁です。非製造業の悪化が燃料費・人件費の増加によるものであることを踏まえると、価格改定の時期と幅について、取引先との交渉材料として短観の数値を使うことができます。第二に、資金調達です。政策金利が1.25パーセント程度となり、先行き見通しでも金利上昇が警戒材料に挙がっています。借換えの時期や固定・変動の構成について、早めに金融機関と相談しておく意味は大きいでしょう。


そして第三に、会計上の見積りへの影響です。たとえば、業況が悪化している業種で固定資産を保有している場合、収益性の低下が減損の兆候に該当しないかを検討する必要が生じます。また、将来の課税所得の見積りが変われば、繰延税金資産の回収可能性の判断にも影響します。短観のような外部環境の指標は、決算における見積りの前提を裏づける資料として使えますので、業況判断が変化した期には、自社の見積りの前提を見直したか、その根拠を残したかを確認しておくことをお勧めします。


数値は仮の例ではなく実際の公表値ですが、自社の業種がどの区分に属し、どの方向に動いているのかを確認することが出発点です。全体の数字だけを見て判断せず、自社に近い業種の動きまで下りて確認いただくとよいと思います。



業況の変化は、減損の兆候判定や繰延税金資産の回収可能性など、決算における会計上の見積りに直結します。見積りの前提の見直しや根拠資料の整え方、会計監査への備えにご不安があれば、大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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