No.248(2026/02/13):【会社法監査の基礎⑥】監査人は“粗探し”ではない——本当の役割と上手な付き合い方
- DAIMON STAFF
- 2月13日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。
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本シリーズ「会社法監査の基礎」(全10回)の第6回です。今回は、監査人は“粗探し”ではない——本当の役割と上手な付き合い方についてお伝えします。
監査を受けると聞くと、まるで取り調べのように、自社の落ち度を一つひとつ探し出されるのではないかと身構える方は少なくありません。けれども、それは監査人の役割の理解としては正確ではありません。会社法上の会計監査人に課せられた使命は、会社が作成した計算書類が、一般に公正妥当と認められる会計基準に従って、会社の財政状態や経営成績を適正に表しているかどうかについて、独立した第三者として意見を表明することにあります。粗探しが目的なのではなく、財務諸表が信頼に足るものであるという保証を社会に対して与えることが目的なのです。
この「信頼」は、決して抽象的なものではありません。金融機関が融資を判断するとき、取引先が与信を見極めるとき、株主や投資家が出資を続けるかを考えるとき、そのよりどころとなるのは会社が公表する数字です。その数字に独立した監査人の適正意見が付されていることは、会社の信用そのものを支え、円滑な資金調達や取引の土台となります。監査は会社にとってのコストである以上に、企業価値を裏づける仕組みだと捉えていただくのがよいと思います。
監査人がしばしば細かい質問を重ねるのには理由があります。私たちには職業的懐疑心と呼ばれる姿勢が求められています。これは経営者や経理担当者を疑ってかかるという意味ではありません。提示された資料や説明を、初めから正しいと決めつけることも、初めから誤っていると決めつけることもせず、客観的な証拠に照らして確かめるという中立的な構えを指します。むしろ会社を信頼しているからこそ、その信頼を裏づける証拠を一つひとつ確認していく、と言い換えてもよいでしょう。残高の確認を求めたり、契約書や議事録の提示をお願いしたりするのは、最終的に会社の数字に太鼓判を押すための手続なのです。
ですから、監査人と会社は対立する関係ではなく、財務諸表の信頼性という同じ目標に向かう協働の関係にあります。この関係を上手に活かすために、担当者の方に心がけていただけると助かることがいくつかあります。一つは、求められた資料をできるだけ整った形で、期日に余裕をもってご提供いただくことです。日頃から証憑や帳簿を整理しておけば、監査対応の負担そのものが軽くなります。もう一つは、判断に迷う取引や会計処理があれば、決算が固まってからではなく、早い段階で率直にご相談いただくことです。論点を早く共有できれば、手戻りを防ぎ、双方にとって無理のない進め方ができます。
監査を、自社の数字を外部の専門家とともに点検し、その信頼性を高める機会として位置づけていただくこと。それが、監査人と最も上手に付き合う第一歩だと私たちは考えています。
会社法監査が必要かどうかの判断や、初めての監査対応のご不安は、経験豊富な公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・保証業務、初回のご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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