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No.212(2025/9/12): 法人税増税議論と電子申告の送信ミス、ストレスチェック義務化


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大門綜合会計事務所スタッフです。


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第212回の今回はProfession Journal 634号より法人税増税議論と電子申告の送信ミス、ストレスチェック義務化についてご紹介します(全文記事は会員のみ https://profession-net.com/professionjournal )



法人税増税議論


日本の法人税率はこの40年で大幅に引き下げられ、国税部分は約23.2%、実効税率は29.74%程度となっています。減税の背景には、国際的な税率競争や国内景気刺激策があり、ピーク時から20ポイント以上も引き下げられました。しかし近年はOECD/G20による最低税率制度の導入により各国の法人税率が20%前後で安定し、極端な競争は沈静化しています。こうした中、日本の財政赤字や社会保障費の増大を背景に、法人税増税議論が再燃しています。


2024年度の税制改正大綱では、これまでの減税が賃上げや投資に十分に結びつかなかった反省が示されました。税率を上げる一方で、企業が賃上げや国内投資を行えば税額控除などの恩恵が受けられるような仕組みを整備する必要が強調されています。2025年度の議論では、税率の引き上げと課税ベース拡大の組み合わせが検討され、収支中立を目指しながら経済活性化を図る方針です。


企業側は、今後の税制変更が財務戦略や投資計画にどのような影響を及ぼすかを検討する必要があります。特に賃金引上げや国内投資を促すインセンティブが強化される可能性が高いため、人件費の増額や設備投資を前向きに捉え、長期的な成長戦略を構築することが重要です。



電子申告の送信ミス


電子申告は便利なシステムですが、送信ボタンを押し忘れたり、作成したデータを誤って削除したりといったミスが発生することがあります。特に繁忙期には、申告書を作成したまま送信を忘れてしまい、そのまま申告期限を過ぎてしまうケースが報告されています。こうしたミスは、期限後申告による加算税や延滞税の発生、さらに顧問先からの信頼喪失につながる恐れがあります。


送信ミスを防ぐためには、作成日時と送信日時を記録する管理台帳を設けること、送信後に受信通知を必ず確認すること、申告書の作成・確認・送信プロセスを複数人でチェックするワークフローを構築することが有効です。また退職や異動による担当者変更があった場合には、業務の引継ぎ資料を作成し、送信手順を共有することが欠かせません。さらに2025年10月14日にWindows10のサポートが終了するため、税務ソフトの推奨環境も新OSに移行します。古い環境のままでは電子申告に不具合が生じる可能性があるため、早めのシステム更新が求められます。



ストレスチェック義務化


現行の労働安全衛生法では、常時50人以上の労働者を雇用する事業場に年1回のストレスチェック実施が義務付けられていますが、従業員50人未満の事業場は努力義務にとどまっています。2025年5月に予定されている法改正では、努力義務ではなくなり、50人未満の事業場でもストレスチェックの実施が義務化される見込みです。施行日は公布から3年以内とされ、小規模事業場に準備期間が与えられています。


ストレスチェック制度の目的は、従業員の心理的負担の状況を早期に把握し、面接指導や職場環境の改善につなげることです。義務化に備え、事業場では産業医や外部機関と連携して実施体制を整備する必要があります。チェック結果を基に職場の人間関係や業務量を見直し、メンタルヘルス対策を充実させることで、労働者の健康を守りつつ企業の生産性向上を図ることができます。



まとめ

今回は、法人税増税議論の背景や今後の方向性、電子申告における送信ミスのリスクと防止策、そしてストレスチェック義務化の動向についてご紹介しました。税制改正や労働法制の動き、IT環境の変化を踏まえ、リスク管理と積極的な投資をバランス良く行うことが、今後の企業経営にとって重要となるでしょう。


それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

 
 
 

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