No.224(2025/02/28):【不特法と監査⑤】特例事業(SPC)スキームと監査の勘所――投資家保護と適正な会計
- DAIMON STAFF
- 2025年2月28日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
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本シリーズ「不動産特定共同事業法と監査」(全10回)の第5回です。今回は、特例事業(SPC)スキームと監査の勘所――投資家保護と適正な会計についてお伝えします。
特例事業と呼ばれるスキームは、不動産特定共同事業法の中でも、投資家保護と事業の効率性を両立させるために設けられた仕組みです。一般的な許可事業者が自らの財産で不動産を取得して運用するのに対し、特例事業では、不動産を保有することだけを目的とした特別目的会社(SPC)を設立し、このSPCが事業の器となります。SPCは原則として他の事業を行わず、借入や保証なども事業に必要な範囲に限定されるため、運営する会社本体が万一経営難に陥っても、投資家が出資した不動産そのものは影響を受けにくくなります。これが「倒産隔離」と呼ばれる考え方で、投資家保護の根幹をなす設計です。
このスキームでは、関与する事業者の役割が明確に分かれている点が特徴です。不動産を保有する器であるSPC自身は特例事業者として位置づけられ、その不動産取引等の業務を受託して実際に運営する会社が第三号事業者、出資の募集や契約締結の代理・媒介を担う会社が第四号事業者となります。複数の専門会社が機能ごとに分担することで、一社にリスクと権限が集中しない構造が生まれています。読者の皆様が新たにファンドの組成を検討される際は、自社がどの役割を担うのかを早い段階で整理しておくことが、その後の会計・税務の設計を左右します。
監査の観点から見たとき、特例事業にはいくつかの勘所があります。第一に、投資家から預かった出資金が、SPC自身や運営会社の固有財産ときちんと分別して管理されているかという点です。資金の流れが契約上の定めどおりに区分され、保全されているかは、投資家保護の実質を確かめるうえで欠かせません。第二に、収益分配の処理です。賃料収入や売却益から費用を控除し、契約に基づく分配可能な利益を正しく算定し、各投資家へ約定どおり配分しているかを確認します。第三に、保有不動産そのものの会計処理で、取得原価の構成、減価償却、そして時価が著しく下落した場合の評価のあり方などが論点となります。
もっとも、特例事業のSPCは「不動産を保有する」という目的に絞り込まれているため、事業の取引構造はきわめてシンプルです。確認すべき論点が出資・分配・不動産の保有に整理されているぶん、勘所を押さえた専門家であれば、限られた工数で要点を逃さず監査を行えます。複雑な事業会社の監査と比べて効率的に品質を確保しやすい領域であり、当事務所が得意とするところです。
不特法事業で会計監査が必要かどうかの判断や、初めての監査対応のご不安は、不特法・SPCに精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・保証業務、初回のご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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