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No.207(2024/05/17):【VC条項①】VC条項とは?――支配力基準の“例外”として子会社にしない取扱い(適用指針第22号)


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。



毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

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本シリーズ「VC条項(連結範囲の例外)」(全5回)の第1回です。今回は、VC条項とは?――支配力基準の“例外”として子会社にしない取扱い(適用指針第22号)についてお伝えします。



連結財務諸表を作成する際、どの会社を連結の範囲に含めるかは「支配力基準」によって判定します。これは、議決権の過半数を所有しているなど、ある企業が他の企業の意思決定機関を実質的に支配しているかどうかで子会社にあたるかを決める考え方です。原則として、議決権の過半数を持っていれば、その投資先は子会社として連結の対象になります。先の連載で取り上げた「ゼロから考える連結(支配力基準)」は、まさにこの原則を整理したものでした。


ところが、この原則にはひとつの例外があります。それが、今回から扱う「VC条項(ベンチャーキャピタル条項)」です。VC条項とは、ベンチャーキャピタルなどの投資企業が投資育成を目的として他社の株式を保有している場合に、形式的には支配の要件を満たしていても、その投資先を子会社としない取扱いをいいます。支配力基準という原則の、ちょうど“裏側にある例外”と考えていただくと位置づけが分かりやすいかと思います。


ここでいう投資企業とは、投資先の事業そのものから生まれる成果ではなく、株式の売却による成果、すなわちキャピタルゲインの獲得を期待して投資価値の向上を図る業務を専ら行う企業を指します。ベンチャーキャピタルやコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、投資事業組合などが典型です。こうした投資企業が投資育成や事業再生を目的とする営業取引として株式を保有し、その会社を支配し続ける意図がないことが明らかな場合には、議決権の過半数を持っていても子会社にはあたらず、連結から除くことができます。あわせて、銀行などの金融機関が債権の円滑な回収を目的として株式を保有している場合も、同様の取扱いの対象とされています。


この取扱いは、もともと日本公認会計士協会の監査委員会報告第60号に定められていたものですが、その範囲や理由が明確でないとの指摘を踏まえ、現在は企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」に整理・明確化されています。子会社に関する取扱いは適用指針第22号第16項(4)に、関連会社についての同じ趣旨の取扱いは第24項に定められています。そうした経緯や各要件の趣旨は、結論の背景である第41項に説明されています。


もっとも、投資育成目的というだけで自動的に連結から外せるわけではありません。連結の範囲から除くためには、適用指針第22号第16項(4)に掲げる①から④の要件をすべて満たす必要があります。ファンドやCVCを通じて投資を行う企業、あるいは投資先を多く抱える企業にとっては、この判定の当否が連結の数字を大きく左右します。次回は、その鍵となる4つの要件を一つずつ丁寧に見ていきます。



自社の連結範囲の判定(投資先が子会社に当たるか、VC条項を適用できるか)にご不安があれば、連結に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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