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No.220(2025/01/31):【不特法と監査①】不動産特定共同事業法とは?――なぜ規制と監査があるのか

更新日:3 日前


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。



毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによるメールマガジンの転載となります。

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本シリーズ「不動産特定共同事業法と監査」(全10回)の第1回です。今回は、不動産特定共同事業法とは?――なぜ規制と監査があるのかについてお伝えします。



不動産特定共同事業法は、一般に「不特法(ふとくほう)」と呼ばれる法律です。この法律が対象としているのは、ひとことで言えば「複数の投資家からお金を集め、そのお金で不動産を買ったり貸したりして、そこから生まれた収益を投資家に分配する事業」です。一人の資金では手が届きにくい都心のビルや賃貸住宅、あるいは地域の再生プロジェクトなどに、多くの方が少しずつ出資して参加できる仕組みであり、近年は不動産投資の入り口として広がりを見せています。


ここで大切なのは、こうした事業が「他人から預かったお金を、不動産という大きな資産に投じて運用する」という性質を持っている点です。投資家から見れば、自分では物件を直接管理できず、事業者がきちんと運営し、正しく収益を計算し、約束どおり分配してくれることを信じて出資します。もし事業者の経営や経理がずさんであれば、投資家は大きな損失を被りかねません。そこで国は、誰でも自由にこの事業を始められるようにするのではなく、一定の財産的基礎や体制を備えた事業者だけが行えるよう、原則として許可制(一部は登録制や届出制)としています。投資家を保護するために、入り口の段階で事業者の適格性を確認しているのです。


不特法の事業には、いくつかの代表的なスキーム(仕組み)があります。よく登場するのが「任意組合型」と「匿名組合型」です。任意組合型は、投資家自身が組合員として不動産を共同で保有し、事業の主体としての性格が比較的強いかたちです。一方の匿名組合型は、投資家は事業者に出資して利益の分配を受けるものの、不動産そのものは事業者が保有し、投資家は表に出ないかたちをとります。どちらが優れているということではなく、税務上の取扱いや投資家の責任の範囲、商品設計のしやすさなどに違いがあり、事業の目的に応じて使い分けられています。専門用語が並ぶと難しく感じられますが、要は「投資家と不動産との関わり方の違い」と捉えていただくとわかりやすいかと思います。


では、なぜこの分野でとりわけ会計の透明性や監査が重視されるのでしょうか。理由は、投資家に分配される金額が、まさに事業者の作成する会計数値そのものから導かれるからです。家賃収入はいくらで、修繕や管理にどれだけ費用がかかり、最終的にいくらの利益が出たのか。その計算が正確で、第三者から見ても信頼できるものでなければ、分配の公正さは担保されません。預かった資金と事業者自身の資金が適切に区分されているか、という点も投資家保護の観点から欠かせません。だからこそ不特法は、財務に関する一定の基準や情報開示を事業者に求めており、その数値の信頼性を客観的に裏づける手段として、会計監査が重要な役割を果たすことになります。出資を募る以上、数字に対する説明責任が伴う——これが、規制と監査が置かれている根本的な理由だとお考えいただければと思います。次回は、この許可制の中身、つまり事業者にどのような要件が求められるのかを、もう一歩具体的に見ていきます。



不特法事業で会計監査が必要かどうかの判断や、初めての監査対応のご不安は、不特法・SPCに精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・保証業務、初回のご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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