No.200(2024/03/29):【新リース会計基準⑨】税務との差異・税効果と、システム・契約管理の整備
- DAIMON STAFF
- 2024年3月29日
- 読了時間: 3分

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。
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本シリーズ「新リース会計基準」(全10回)の第9回です。今回は、税務との差異・税効果と、システム・契約管理の整備についてお伝えします。
新リース会計基準の適用により、これまでオフバランスであった多くのリース契約が貸借対照表に使用権資産とリース負債として計上されることになります。ここで実務上の重要な論点となるのが、税務上の取扱いとの差異です。会計と税務は本来それぞれ別の目的を持つ制度であり、会計上オンバランス処理を行ったからといって、法人税法上も同じように資産・負債として認識されるとは限りません。借手の会計処理が変わっても、税務上は従来どおり賃借料として損金算入される取引が残るなど、両者の取扱いが一致しないケースが生じ得ます。
このような場合、会計上の資産・負債の金額と税務上の金額との間に差が生まれます。これがいわゆる一時差異であり、税効果会計の対象となります。具体的には、使用権資産の減価償却費やリース負債に係る利息相当額として会計上計上される費用の合計と、税務上損金として認められる金額との間にズレが生じ、その差異の解消が将来見込まれる部分について、繰延税金資産または繰延税金負債を認識することが必要になります。新基準への移行初年度には、過去からの契約をまとめて見直すことになるため、この差異の把握と計算が一時的に複雑になりやすい点にも注意が必要です。繰延税金資産については、回収可能性の検討も併せて求められます。
こうした会計と税務の差異を正しく把握し、継続的に管理していくためには、その前提として、自社が締結しているリース契約の全体像を正確につかんでおく必要があります。ところが実務では、リースに該当し得る契約がオフィスや店舗の賃貸借、車両、複合機、サーバーなど社内の複数の部署に分散していることが少なくありません。これらを網羅的に洗い出す契約の棚卸しは、新基準対応の出発点となる作業です。契約書の有無や契約期間、更新・解約の条件、リース料の改定条項といった情報を一つひとつ確認していく必要があり、想定以上の時間と労力を要することが珍しくありません。
さらに、洗い出した契約は一度整理して終わりではなく、使用権資産とリース負債の金額算定、毎期の償却・利息計算、契約条件の変更に伴う再測定まで、継続的な管理が求められます。契約件数が多い企業では、表計算ソフトによる手作業での対応には限界があり、リース台帳の整備や専用のシステム導入といった基盤づくりが現実的な選択肢となります。会計処理の正確性だけでなく、監査対応や内部統制の観点からも、こうした管理体制の構築は早めに着手しておきたいところです。適用時期は原則として2027年4月1日以後開始する事業年度であり、早期適用も認められていますが、契約の棚卸しからシステム対応までを見据えると、準備に充てられる期間は決して長くありません。
新リース会計基準への対応(影響度の把握、契約の棚卸し、会計処理やシステムの整備、監査対応)にご不安があれば、基準に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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