No.199(2024/03/22):【新リース会計基準⑧】表示・開示と財務への影響(指標・財務制限条項)
- DAIMON STAFF
- 2024年3月22日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
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本シリーズ「新リース会計基準」(全10回)の第8回です。今回は、表示・開示と財務への影響(指標・財務制限条項)についてお伝えします。
第8回の今回は、新リース会計基準が財務諸表の表示・開示にどのような変化をもたらし、それが財務指標や銀行借入の契約条件にまで波及しうる点を取り上げます。原則として2027年4月1日以後開始する事業年度から適用される本基準(早期適用も可能です)の影響は、会計処理にとどまらないことを、経営者・財務のご担当者として早めに把握しておくことが大切です。
新基準では、借手はこれまでオフバランスとされてきた多くのリースについて、貸借対照表に「使用権資産」を資産として、「リース負債」を負債として計上します。表示にあたっては、これらを独立の科目として示す方法のほか、有形固定資産や金融負債など対応する科目に含めて表示し、その内訳を注記する方法も認められています。いずれの方法による場合でも、計上額が一見して把握できるよう配慮することが求められます。
あわせて、注記による開示が大きく充実します。リース活動の内容、使用権資産やリース負債の増減、損益計算書に計上した減価償却費や利息費用、当期のキャッシュ・アウトフローの総額、さらに変動リース料や延長・解約オプションの取扱いなど、財務諸表利用者がリースから生じるリスクや金額を理解できるよう、定量・定性の両面からの情報提供が必要となります。これまで簡便に処理してきた企業ほど、開示のために新たな情報収集の体制を整える負担が生じやすい点に注意が必要です。
表示の変化は、財務指標にも影響します。資産と負債が同時に増加するため、総資産を分母とする自己資本比率は低下しやすく、ROA(総資産利益率)も分母の拡大により押し下げられる方向に働きます。一方で、従来は支払リース料として営業費用に一括計上していた金額が減価償却費と利息費用に分かれるため、EBITDAや営業利益といった段階損益の見え方も変わってきます。これらは企業の実態が変わったわけではなく、あくまで表示方法の変更によるものですが、外部の利用者には数値の変化として映ります。
とりわけ留意すべきは、銀行借入に付された財務制限条項(コベナンツ)への影響です。自己資本比率や負債比率、純資産額などを基準とする条項では、新基準適用に伴う負債の増加が、意図せず抵触のリスクを高める可能性があります。早い段階で影響額を試算し、必要に応じて金融機関と条件の確認や調整を行っておくことが、不測の事態を避けるうえで重要となります。次回は、こうした影響を踏まえた具体的な導入準備の進め方を解説します。
新リース会計基準への対応(影響度の把握、契約の棚卸し、会計処理やシステムの整備、監査対応)にご不安があれば、基準に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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