No.193(2024/02/09):【新リース会計基準②】最大の変更点――借手は原則すべてのリースをオンバランス
- DAIMON STAFF
- 2024年2月9日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
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本シリーズ「新リース会計基準」(全10回)の第2回です。今回は、最大の変更点――借手は原則すべてのリースをオンバランスについてお伝えします。
従来の借手のリース会計では、リース取引をファイナンス・リースとオペレーティング・リースの二つに区分し、そのいずれに該当するかによって会計処理が大きく異なっていました。ファイナンス・リースは資産と負債を計上する一方、オペレーティング・リースは原則としてオフバランス、すなわち貸借対照表には載せず、毎期の支払賃借料を費用として処理するだけで足りていました。オフィスや店舗の賃借、車両やコピー機のリースなど、実務上は多くの契約がこのオペレーティング・リースとして扱われ、貸借対照表には表れてこなかったのです。
新リース会計基準が導入する最大の変更点は、この区分を借手の会計処理から事実上なくし、原則としてすべてのリースをオンバランスする点にあります。基準は「使用権モデル」という考え方を採用します。リースとは、借手が一定期間にわたって資産を使用する権利を得て、その対価を支払う取引である、と捉え直すものです。この考え方のもとでは、借手はリースの開始時に、資産を使用する権利そのものを「使用権資産」として、また将来支払うべきリース料の総額を「リース負債」として、貸借対照表に計上することになります。従来であれば費用処理で済んでいたオペレーティング・リースについても、原則として資産と負債が両建てで認識されるわけです。
この変更は、決算書全体に小さくない影響を及ぼします。貸借対照表では、これまで計上されていなかった使用権資産とリース負債がともに増加し、総資産と負債が膨らみます。損益計算書でも、従来は支払賃借料という単一の費用だったものが、使用権資産の減価償却費とリース負債にかかる利息費用とに分かれて計上されるようになり、費用の認識される時期や区分が変わってきます。結果として、自己資本比率や負債比率、ROA、さらにはEBITDAといった財務指標の見え方も変化することになります。借入金の財務制限条項に抵触しないか、自社の格付や取引先の評価にどう影響するかといった点まで、目配りが必要になる場面も考えられます。
この基準は、原則として2027年4月1日以後開始する事業年度から適用され、一定の要件のもとで早期適用も認められています。重要なのは、これが単なる会計処理の技術的な変更にとどまらず、賃借契約を数多く抱える企業ほど決算書の姿が大きく変わりうる、という点です。「自社にも対象となるリースがあるのではないか」と感じられた方も多いのではないでしょうか。次回は、ここで言う「リース」とは具体的に何を指すのか、契約のどこを見れば判断できるのかを、実務に即して整理してまいります。
新リース会計基準への対応(影響度の把握、契約の棚卸し、会計処理やシステムの整備、監査対応)にご不安があれば、基準に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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