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No.149(2023/1/20): IFRS導入企業が大幅に増加


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(大門綜合会計事務所への会計監査等のご依頼・料金相場・価格表等はこちらから)



149回目の今回は国際会計基準(IFRS)を導入

している企業が増加している、という記事が

ありましたのでご紹介します。




今週、以下のような記事がありました。



<IFRS導入の日本企業続々、時価総額ベースで44%>

2023年1月18日 日経電子版



要約・引用すると・・・、


・国際会計基準(IFRS)導入企業の存在感が

日本で高まっている


・社数ベースでは市場全体の7%にとどまるが、

合計時価総額では全体の44%に達する


・グローバル企業の適用が相次ぎ、主要企業

で構成するJPX日経インデックス400ベースで

は時価総額の5割を超えた



というもの。




東証上場企業のうちIFRS適用企業は2022年6

月末時点で247社と1年前から21社増えたとい

うことです。



記事にもありますが、導入の理由は以下のよ

うな点にあると思われます。



①グループ管理のしやすさ


②のれんの会計処理



「①グループ管理のしやすさ」については、

海外展開している企業にとっては、海外子会

社等が適用するIFRSと合わせることにより


管理会計上もなにかと便利であると言えるで

しょう。


日本基準を採用してる日本のグローバル企業

の海外子会社は、IFRSや現地基準で記帳をし

ており、


四半期や年度末のみIFRSや現地基準から日本

基準への調整仕訳を行うことにより、海外子

会社等の数値を


日本の会計基準に合致するように修正するの

が一般的です。


そのため、親会社である日本の本社がIFRSを

適用することにより、海外子会社等の数値を

そのまま取り入れることが可能となり、


月次での管理会計もスムーズに実施すること

が可能となります。



「②のれんの会計処理」については、ご存じ

の方も多いと思いますが、日本基準ではのれ

んを20年以内に償却する必要がありますが、


IFRSの場合には償却は不要であり、毎期減損

テストを行い、のれんの現在価値が大きく下

がっている場合以外には費用化する必要はあ

りません。


そのため、巨額ののれんが発生するような企

業結合を行った場合には、IFRSを採用してい

るか否かにより、


毎期の費用・損失額は大きく変わってくるこ

ととなり、費用化が必須となる日本基準より

もIFRSの方が好まれる傾向にあります。





このように、IFRS導入は様々なメリットがあ

りますが、導入するには基準差となる部分を

網羅的に把握する必要があり、


また、基準差にあわせて数値の管理体制も修

正する必要があるため、かなりの負担が発生

するのも事実です。


そのような負担を考慮してでもIFRS導入のメ

リットがあると考える企業が増えているとい

うことが、導入企業増加の要因となっている

と言えます。

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