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東証1部企業の3割がプライム市場の圏外に

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

57回目の今回は、このブログでも何度かお

伝えしている東証再編に関する記事について

お伝えします。



日経ヴェリタスに以下のような記事がありま

した。


<東証再編が迫る令和の企業変革>

2021年2月14日 日経ヴェリタス


リンク先は会員のみが閲覧可能のため、要約

すると・・・


・東京証券取引所の上場市場の再編作業が20

21年に本格化し、現在の4市場から3市場体制

に移行することにより各市場の性格を明確に

する


・既存の企業は各市場の特性を勘案して上場

市場を選ぶことになり、その選択次第では株

価に影響することもあり得る


・一部の東証1部の会社が直面するのが、実

質的な最上位市場となるプライムの上場基準

のひとつ「流通株式比率35%」という条件


・東証はさらに改革に踏み込み、流通株式の

定義自体にメスを入れた


・これまでは保有比率が10%に満たない株式

は流通株式と認めていたが、政策保有株式は

10%未満であっても非流通株式と認定


・上記について、現在の東証1部上場企業の

うち約70社が流通株式比率35%の条件を満た

さない可能性があることが分かった


・プライム市場では、流通株ベースの時価総

額100億円以上という上場基準も導入される


・このため流通株比率が35%以上あっても、

流通時価総額の面で基準に達しない銘柄も多

数出てくる可能性が高い


・現時点で東証1部の3割にあたる約600銘柄

がこれらの条件に抵触するとみられている



というもの。



要点としては、プライム市場に残るための条

件として以下の点が追加されたということで

す。


①流通株式比率35%以上

(政策保有株式は10%未満であっても非流通

株式)


②流通株ベースの時価総額100億円以上





①については35%の流通性を求めることで、

重要な事項を決める特別決議に必要な議決権

(3分の2以上)を


固定的な株主が握れないようにするのが目的

となります。


これにより、多様な株主の意見が経営に反映

されやすくなり、経営への規律が働きやすく

なるという狙いです。



②については、プライム市場をグローバル企

業向けの市場とするために、一定以上の企業

価値を有する企業とするためのものになりま

す。



現在の東証1部には、流通比率も低く、時価

総額もそれほど高くない企業が多く存在する

ため(記事の試算によると600社!)、


プライム市場に残るためには、流通株を増や

すか時価総額を増やすか、または両方を実施

する必要が出てきます。



流通株を増やすには、非流通株を売却等する

必要があるため、株価下押し圧力になります。


また、時価総額を増やすには思い切った成長

戦略の策定や、増配、株主優待の強化などを

実施する必要があるでしょう。




プライム市場に残れなければTOPIXからも外

されることになるため、これも株価下押し圧

力となり、企業にとっては非常に大きな問題

です。


そして、投資家にとっても、株式の流通性や

時価総額の水準、株主構成などをこれまで以

上に慎重に吟味し、


企業の行動を合理的に予測することが非常に

重要となってくると言えます。



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