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No.179(2023/9/22):ヘッジ会計

こんにちは

大門綜合会計事務所スタッフです。

毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。

(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)




179回目の今回は、ヘッジ会計の基礎につい

て、そして特に繰延ヘッジと時価ヘッジの違

い、そしてそれぞれの具体的な会計処理の事

例についてお伝えします。

そもそもヘッジ会計とはどのようなものなの

でしょうか。

ヘッジ会計とは、企業が直面する様々なリス

ク(例:為替の変動、金利の変動など)から

身を守るための「会計の傘」のようなもので

す。

これは、企業の経済活動における不確実性を

低減するための重要な手段となっています。

ヘッジ会計には繰延ヘッジと時価ヘッジがあ

ります。

繰延ヘッジはヘッジ会計の原則として採用さ

れており、確定されていない将来の取引に関

連するキャッシュフローリスクをカバーする

ためのヘッジです。

繰延ヘッジの目的は、将来のキャッシュフ

ローの変動を安定化させることです。

これは、企業が将来の収益やキャッシュフ

ローを安定させるための重要な手段となって

います。

一方、時価ヘッジは例外的に採用されるもの

で、特定の資産や負債、または確定されてい

る未来の取引に関連するリスクをカバーする

ためのヘッジです。

時価ヘッジの目的は、ヘッジ対象の時価変動

とヘッジ手段の時価変動を相殺することです。

以下、簡単な事例を用いてご説明します。

<事例1: 為替リスクのヘッジ(繰延ヘッジ)

>

企業Aは、6ヶ月後に100万ドルの支払いを予

定しています。

この未来の取引に伴う為替リスクを考慮し、

企業Aは、このリスクを回避するために、為

替予約取引を行います。

この場合、為替予約取引のキャッシュフロー

変動と外貨建ての債務のキャッシュフロー変

動が相殺されるため、為替リスクがヘッジさ

れます。

<事例2: 有価証券の価格リスクのヘッジ(時

価ヘッジ)>

企業Bは、株式投資を行っています。

株価の変動によるリスクを考慮し、企業Bは、

株価の下落リスクを回避するために、株価先

物契約を結びます。

この場合、株価先物契約の評価損益と有価証

券の評価損益は、損益計算書上で相殺される

ため、株価のリスクがヘッジされます。

このようにヘッジ会計が企業のリスク管理に

どのように役立っているか、そしてそれぞれ

のヘッジの特性や適用事例についてなんとな

くイメージがついたのではないでしょうか。

今回はヘッジ会計についてお伝えしました。

ヘッジ会計は、企業のリスク管理の一環とし

て非常に重要な役割を果たしています。

この複雑な領域をわかりやすく伝えるのは難

しいですが、今回の説明と事例でなんとなく

でもイメージがついてもらえればと思います。

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