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No.170(2023/7/7): 2023年6月の日銀短観~製造業景況7四半期ぶり改善~

更新日:2023年8月13日


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

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170回目の今回は、先日発表された2023年6月の日銀短観についてお伝えします。


<値上げ・円安、前向く企業 製造業景況7四半期ぶり改善

日銀短観 消費に弱さも、賃上げカギ>

https://www.nikkei.com/paper/article/b=20230704&ng=DGKKZO72455710U3A700C2MM8000


引用、要約すると・・・


・日銀が3日発表した6月の短観で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、前回の3月調査から1ポイント上昇のプラス5となり、7四半期ぶりに改善した


・自動車業界では、半導体供給が正常化に向かい、景況感は8四半期ぶりにプラスに浮上した


・大企業非製造業の景況感もプラス23と5四半期連続で改善し、19年6月調査以来の高水準になった


・訪日外国人の増加で「宿泊・飲食サービス」の景況感は前回の0からプラス36に改善した



というもの。



毎回お伝えしていますが、日銀短観は以下のようなものです。


①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3か月ごとに実施しているアンケート調査


②調査項目は、


(1)「企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか」などの項目(判断項目)


(2)「売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、


(3)物価見通し


(4)新卒者採用状況等々


③ ②(1)の「自社の業況」についての回答から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusion index)が最も注目されている


④「業況判断DI」は「自社の業況」につき『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比(%)を引き算した数値


⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くなるとマイナス方向に振れる。


⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつないでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。


短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞き取る調査で、


対象が幅広く速報性も高いことから、景気の現状や先行きを読む材料として注目されています。


前回の2023年3月の短観では、製造業がプラス1となり、非製造業がプラス20となっており、


製造業は資源価格やエネルギー価格の高騰が景況感を下押しする状況が続いていましたが、非製造業は経済活動の正常化で景況感の改善が続いている状況でした。



今回の2023年6月の短観では、製造業の景況感がプラス5と7四半期ぶりに改善しています。


特に自動車業界では、半導体供給が正常化に向かい、景況感は8四半期ぶりにプラスに浮上しました。


また、大企業非製造業の景況感もプラス23と5四半期連続で改善し、19年6月調査以来の高水準となっています。


これらの結果から、日本経済の回復が進んでいるようにも見えます。


しかし、今後の経済状況には引き続き注意が必要な状況です。特に、物価上昇に伴う実質賃金の低下、米国を始めとした海外景気の不調などの問題が続いています。


これらの影響による経済の動向からは目が離せない状況です。

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