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163回目の今回は、企業経営に係る方向性の
根幹をなす株主について、問題提起をしてい
る記事がありましたのでご紹介します。
<「株主は何ものか」広く検討を>
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70803680Y3A500C2EN8000/
2023年5月9日 日経電子版
引用、要約すると・・・・、
・企業の手元の株主名簿に出てくる名前は、
大半が信託銀行や海外のカストディーだが、
多くの場合、そうした資産管理会社の奥に
様々な株主がいる
・長期運用の年金、個人の小口を集めた投資
信託、金融機関や富裕家から運用を預かるフ
ァンド等であり、アクティビストもいれば、
超高速で売買するヘッジファンドもいる
・経済的利益を得る主体と議決権を持つ主体
が別々、ということも可能であるため、他の
ステークホルダーを顧みない議決権行使も起
こりうる
・一連のガバナンス改革は企業と投資家の建
設的な対話で企業価値向上を目指すものだが、
相手が意思決定の権限を持つ株主か、単なる
代理人か見分けられないと本当の対話にはな
らない
・株主の「見える化」を望む声を受け、金融
審議会の場で実質株主を把握しやすくする議
論がこれから本格化する
というもの。
コーポレートガバナンスコードを始めとする
昨今のガバナンス改革は、企業が株主に対し
てどのようにしてリターンを還元するか、
という事を明確にし、企業と投資家との対話
を円滑かつ効果的に行う事が目的となってい
ます。
しかし、その対話の相手である株主が意思決
定の権限を持つ株主なのか、単なる代理人な
のかが見分けられないとなると、
実質的な対話が出来ないというのがこの記事
の趣旨となります。
上場企業の有価証券報告書における大株主の
状況を見るとわかりますが、XX信託銀行やXX
カストディ銀行となっている場合がほとんど
です。
これは、長期運用の年金や個人の小口を集め
た投資信託、金融機関や富裕家から運用を預
かるファンド等の場合が多く、
実際に資金を拠出した個人等ではなく、信託
銀行等が株主を代表して権利を行使すること
を意味します。
記事によると、欧州では会社に対して権利を
行使する場合にはその者は名乗り出なければ
ならないようです。
そのようにすることで、企業にとってもその
企業の真の株主がどのような者なのかを把握
することができ、
実質的な株主の為の経営を行うことが出来る
ようになると考えられます。
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