こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。
(大門綜合会計事務所への会計監査等のご依頼・料金相場・価格表等はこちらから)
153回目の今回はインサイダー取引を巡り新
種の手法が急増しているとの記事がありまし
たのでご紹介します。
<「シャドー取引」米で横行
新種のインサイダー、他社株・ETFで目くらまし>
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68666250R20C23A2EE9000/
2023年2月22日 日経電子版
・企業のM&A(合併・買収)などの内部情報
を利用した株式売買で不当に収益を得るイン
サイダー取引を巡り新種の手法が急増してい
る
・通称「シャドーインサイダー取引」と呼ば
れるもので、当該企業の株式を直接売買する
のではなく、関連業界の株価上昇を見込んで
競合他社の株式や上場投資信託(ETF)を売
買する
・実態はなお不明な点も多いが、規制当局は
監視強化に動き出した
というもの。
過去にも何度かご紹介してきましたが、「イ
ンサイダー取引とは、企業のM&Aなどの内部
情報を利用して不正に利益を得る行為です。
その手口が巧妙化しているという記事で、シ
ャドーインサイダー取引と呼ばれる新種の方
法が米国で横行しているというもの。
シャドーインサイダー取引とは、M&Aなどの
情報を入手した人が、当該企業の株式ではな
く、
関連業界の株価上昇を見込んで競合他社や業
種別ETFなどを売買することです。
これは従来型のインサイダー取引よりも発覚
しにくいため、規制当局も対応に苦慮してい
ます。
記事にもありますが、オーストラリアの大学
の研究者らは、2009年~21年に米国で発表さ
れたM&A案件3209件を分析した結果、
M&A発表前に当該企業や同業他社が組み入れ
られている1411本の業種別ETFで異常な売買
が認められたということです。
これらはシャドーインサイダー取引と推定さ
れ、調査期間中に約3500億円相当に達したと
推計されています。
米証券取引委員会(SEC)もこの問題に対処
するため、22年末に証券取引法を一部改定し
ました。
また、16年に発生したメディベーション社員
によるシャドーインサイダー取引事件では、
22年1月にカリフォルニア連邦地裁が訴訟継
続を決定しています。
これは米国で初めてシャドーインサイダー取
引が裁かれるケースとなります。
シャドーインサイダー取引は従来型よりも隠
蔽性が高く、実態把握や防止策が難しい問題
です。
しかし、市場の公正性や投資家保護の観点か
ら見過ごすことはできないものであり、日本
でも今後規制が強化されると考えられます。
Comentaris