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東証再編後の日本の株式市場に向けての動き

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。


42回目の今回はこの11月から制度が改正され

た東証1部への上場・昇格基準の変更、およ


2020年4月に予定されている市場区分の再編

についてお伝えします。





上場準備等をされている方はご存知かと思い

ますが、


東証は市場ごとの意義づけを明確にするため、

2022年4月に市場の再編を計画しています。


その計画では、現在の1部、2部、マザーズ、

ジャスダックの4市場を、


「プライム」「スタンダード」「グロース」

(いずれも仮称)の3市場に見直すというも

のです。


<「東証3市場に再編」金融審、報告書を了承>

日経電子版 2020/2/17



この再編は以下のような点を理由として行わ

れています。


① 東証1部の企業数が多すぎる


② 上場維持基準が緩い


③ ①~②の結果、東証1部上場企業の質の低

下が指摘されている


というものです。



①については、2020年11月12日現在でその数

は2,176社で、10年連続で増加しています。


②については、上場廃止の基準が非常に緩く、

時価総額や流動性が低くなっても、東証1部

に残り続ける企業が多い点が指摘されており、


その結果、③の1部上場企業の質の低下が騒

がれている状況となっています。


そのため、東証は上記の問題点を改善するた

め、市場の再編を計画しているのです。


当該計画によれば、現在の市場は新たに設立

される「プライム」、「スタンダード」、

「グロース」の3つに再編されます。

(名称はいずれも仮称です)


基本的には


・東証1部の会社はプライム市場かスタン

ダード市場へ、


・マザーズはグロース市場へ


・残りの市場はスタンダード市場へ


再編されることが予定されています。



当該再編の一環として、今回の東証1部への

上場・昇格基準の改正が行われることになり

ました。


<東証1部への昇格候補9割減 1日から基準変更>

2020/11/1 日経電子版


今回の基準改正の結果、


・マザーズから1部へ昇格するために必要な

時価総額や利益、純資産が大きくなり


・マザーズ上場企業で新しい基準を満たす企

業は10社強と、現基準より9割減る見通し


となりました。


具体的には以下のように基準が厳しくなりま

した。


・時価総額が40億円から250億円以上へ


・経常利益が(2年合計)5億円から25億円以

上へ


・純資産が10億円から50億円以上へ



上記基準は、昇格でも東証1部に直接上場の

場合でも統一の基準となります。



上記の変更をご覧頂ければ明確ですが、昇格

・上場基準がかなり厳しくなったと言えます。


これらの昇格・上場基準の改正、および市場

再編の結果、新規上場や上場維持のための規

制が厳しくなるため、


新規上場・上場維持のためのコストが高くな

ると考えられます。


そのため、現在の東証1部から再編後の2番目

の市場であるスタンダード市場へ移行する企

業や、


上場維持コストを嫌い、MBO等の実施により

非上場化する企業も増えることも予想されま

す。



いずれにせよ、これらの東証の再編によって

日本の株式市場が世界からさらに注目される

市場となることが期待されています。



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