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日銀短観の見方

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。



48回目の今回も、前回までお伝えしている、

会計監査を受けている上場会社と受けていな

い非上場会社との、


会計監査の視点からの相違について、お伝え

しようと思ったのですが、ちょうど今週、日銀短

観が発表されましたので、


日銀短観についてお伝えしようと思います。




<日銀短観、設備投資・新卒採用に慎重 景況感は改善>

2020年12月14日 日経電子版


要約すると・・・、


・日銀が14日発表した12月の日銀短観では先

行きに慎重な企業の姿が浮き彫りになった


・2020年度の設備投資を全規模全産業ベース

でみると、前年度に比べ3.9%減で9月調査(2.

7%減)から下方修正


・新卒採用も21年度は大幅減の計画


・新型コロナウイルスの影響が長引くことに

備え、企業は守りを固めている


というもの。



日銀短観は以下のサイトで全文を確認できます。


<日本銀行HP>



そもそもですが、この日銀短観とはどのよう

なものなのでしょうか。


日銀短観を簡単にご説明すると以下のような

ものとなります。


①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3

か月ごとに実施しているアンケート調査


②調査項目は、


(1)「企業が自社の業況や経済環境の現

状・先行きについてどうみているか」などの

項目(判断項目)


(2)「売上高や収益、設備投資額といった

事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、


(3)物価見通し


(4)新卒者採用状況等々


③ ②(1)の「自社の業況」についての回答

から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi

on index)が最も注目されている


④「業況判断DI」は「自社の業況」につき

『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比

(%)を引き算した数値


⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな

るとマイナス方向に振れる。


⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな

いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。



このように、短観は3カ月に1度、日銀が全国

の約1万社に景況感や収益見通し、設備投資

計画などを聞き取る調査です。


対象が幅広く速報性も高いことから、景気の

現状や先行きを読む材料として注目されてい

ます。



上記、日経の記事ではあまり触れられていま

せんが、全産業&規模合計の業況判断は2020

年9月から13ポイント改善した-15で、


先行き(3か月後)の業況判断は-18と現在

の-15とさほど変わりません。


これは、2020年9月に比較して大きく業況は

改善したが、3か月後の業況については慎重

な見通しを立てているということになります。


ただし、少なくとも9月において景気は底を打っ

たと考えていると言えるでしょう。



日銀短観は企業が景気をどのように見ている

かのアンケートに過ぎませんが、日本の経済界

が、


景気をどのように考えているか、どのように予想

しているかが数値化されているものですので、今

後の景気動向をつかむヒントになると考えられます。



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