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急増しているSPAC(特別買収目的会社)とは?

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

44回目の今回は、現在、米国市場で注目を集

めているSPAC(特別買収目的会社)について

お伝えします。



<ソフトバンクG 買収目的の「空箱」、20年内に上場も>

2020/10/14 日経電子版


(記事の要約は後半で)



SPACは、一言で言えば「簡単かつ迅速に上場

するための箱のような会社」です。


アメリカやEUの一部の市場では認められてい

ますが、日本では認められていません。



今年になって、ニュース等で聞くことも多く

なったこのSPAC。


しかし、調べてみるとアメリカでは1990年代

から存在していたようです。



過去にはSPACを使用した不正等が横行したこ

とからマイナーな存在でしたが、


近年においては投資家保護のルールを設けた

ことにより、にわかに注目を集めています。



SAPCの流れを簡単にご説明すると、以下のよ

うになります。


①著名な投資家や投資銀行等で投資実績のあ

る人物が自己資金でSPACを設立・運営


②設立者が投資家から資金を集めて上場


③上場後24か月以内に非上場の会社を買収し、

非上場企業を上場した形にする


というもの。


言うなれば、レバレッジドバイアウト(LB

O)と株式上場を両方一気に出来てしまうよ

うなイメージです。



投資家からすれば、著名だったり投資実績の

高い目利きである運営者が選んだ非上場企業

(買収により上場化)に投資でき、


高いリターンが期待できるというメリットが

あります。


また、買収される非上場企業にとっては、投

資家を集めたり、社内体制の構築、証券会社

等の利害関係者への手数料支払など、


複雑で時間とコストのかかる上場準備・上場

プロセスを経ることなく、実質的に上場が出

来るというメリットがあります。


近年、そのメリットに注目が集まり、2020年

は多くのベンチャーキャピタル・ファンドが

SPACに興味を示したため、


アメリカではSPACの上場件数は2019年(59

件)の2.6倍、2015年(20件)の7.8倍である

159件と、まさに急増している状況です。



上記の日経の記事を要約すると、


・ソフトバンクグループ(SBG)によるSPAC

の設立計画について、早ければ年内にも、数

百億円規模で米市場に上場させる見通し


・SBGのビジョン・ファンドなどファンド事

業は資金集めが難航しているが、


今回は数百億円規模なので、10兆円規模で運

用するSBGにとって資金調達が主な目的では

ないとみられる


・SPAC活用に踏み切るのは、潜在的な投資先

に上場までの手続きや期間を短縮したいとの

ニーズがあるから


・SBGの投資会社として投資手段を広げる狙

いがある


という事になります。



個人的にはWeWorkへの投資で失敗した後に、

AI企業への投資で急回復しているSBGに対して、


「投資家はどのような判断をするのか」=

「希望の金額の資金が集まるのか」という点

に注目したいところです。



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