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会計監査を受けている企業と受けていない企業の違いとは?

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

45回目の今回は、


会計監査を受けている上場会社と受けていな

い非上場会社との、会計監査の視点からの相


について簡単にお伝えしようと思います。



今週、日本会計士協会のWebサイトに以下の

ような案内が公表されました。


<株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック「会計監査を受ける前に準備しておきたいポイント」公表のご案内>

https://jicpa.or.jp/news/information/2020/20201124acd.html


こちらはシンプルなものですが、IPOでは避

けて通れない、会計監査を受けるにあたって

の必須事項が簡潔にまとめられています。



前回のメルマガで、米国におけるSPAC(特別

目的買収会社)についてお伝えしました。


SPACの特徴として、


複雑な上場審査を経ずに非上場会社が上場会

社となることが出来る(正確には上場審査を

経た箱に非上場会社が買収される)


という特徴があるとお伝えしました。



SPACは日本では認められていないため、日本

においては上場審査を通らなければ上場する

ことは出来ません。


日本の上場審査においては、形式基準と実質

基準があり、


形式基準には過去2年間の会計監査人による

適正意見を得ている、という基準があります。

(東京プロマーケットは過去1年)


会計監査で適正意見を得るためには、企業会

計基準という会計基準に沿った会計を適用す

る必要があります。


(非上場会社の中でも、一定の規模を有する

企業においては、会社法監査という監査を受

ける必要があり、


会社法監査適用会社も同様に企業会計基準が

適用されます。)


会社法監査が適用されない非上場会社の多く

は、税務基準(税法に沿った記帳)を適用し

てるため、


そのような会社が上場するためには税務基準

から企業会計基準に記帳方法を修正する必要

があります。



また、会計監査に耐えうるためには、基準を

企業会計基準に変更するだけではなく、各種

の管理体制を強化し、


会計監査人に会計数値が正しいことを客観的

に説明できるように、内部資料を含む各種の

資料を円滑に提出出来る体制を整える必要が

あります。



上記リンクの案内に「会計監査を受けようと

したときの事前準備のポイントと例示」が記

載されており、


初めて会計監査を受ける際に、ありがちな指

摘が例示されています。(ガイドブックの9

ページ以降)


これらが、会計監査を受けている会社と受け

ていない会社の主たる相違と言えるでしょう。


当該例示を抜粋すると以下のような内容です。


1 会計データ・裏付け証憑の整理

2 発生主義会計及び収益認識会計基準への

対応

3 棚卸資産管理

4 原価計算体制

5 資産・負債の管理

6 連結決算

7 関連当事者取引の把握・整理

8 内部管理体制の構築

9 労務管理

10 情報システムの内部統制

11 不正への対応

12 会計上の見積り

13 会計基準の選択


ざっと見ると


2、6、12、13が会計基準の適用に関する指摘

事例、残りが管理体制や内部統制に関する指

摘事例になるかと思います。



これらの基準の適用、管理体制の整備には非

常に時間とコストがかかるという点は明らか

かであり、


可能であれば避けたいというのも本音かもし

れません。


しかし、配当を行うとは言え、株主から資金

を無利子で調達している上場会社には、


その資金をどのように使用したのかという報

告である決算報告を、適正に行う義務・責任

があります。


そのためには、客観的第三者である会計監査

人の監査に耐え得る体制を整え、適正意見を

得る必要があるのです。



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