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「SDGsとESGの違い」と企業価値への影響

更新日:2021年7月18日





こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

74回目の今回は今では普通に使われるように

なってきているSDGsとESGについてお伝えし

ます。



最近では新聞やネットニュースで毎日のよう

にSDGsやESGについて語られ、関連記事を見

ない日はないと思います。


なんとなく同じようなもので、「環境にやさ

しい」や「人権尊重」等の環境や人に優しい

事をするもの、


というような漠然としたイメージは持たれて

いるかと思います。


では、SDGsとESGの違いは何なのでしょうか。





簡単に表現すると、SDGsを達成するための判

断指標・手段としてESGが用いられると言っ

て良いでしょう。


以下、簡単にご説明します。




そもそもSDGsとは何なのか・・・、



SDGsとは、2015年9月に国連で採択された

『持続可能な開発目標』のことです。


「Sustainable Development Goals」の略で、

内容としては貧困や雇用、気候変動など、環

境・社会問題を解決するために、


17の目標(カテゴリー)・169のターゲット

(具体的な課題)で構成されており、


この目標を2030年までの15年間で達成しまし

ょう、というものです。



一方で、ESGはEnvironment(環境)、Social

(社会)、Governance(ガバナンス)の3つ

略であり、


一般にESG投資と言われるように、企業がESG

に配慮した経営を行っているか?を判断する

文脈で使用される事が多い言葉です。



企業がESGに配慮した経営を行っている場合、

その企業に投資をすれば、投資家も間接的に

SDGsにも貢献出来るということになります。



SDGsやESGという言葉が出てくる前までは、

企業は株主の利益を最大化させることが唯一

の目標でした。


しかし、そのような株主のみを向いた経営を

良しとする資本主義においては、格差の拡大

など負の側面が非常に大きくなってきました。


アメリカでトランプ前大統領が誕生した要因

の一つには、資本主義が拡大し過ぎたという

点も要因の一つとしてあると言えるでしょう。



「ESGに配慮した経営」と言うと綺麗ごとの

ように聞こえるかもしれません。


しかし、企業を国に置き換えてみるとどうで

しょう?ESGに配慮した、環境や人に優しい

国と、


金儲けだけを考えて汚染物質を垂れ流したり、

人権を無視した労働を強要するような国をイ

メージした場合に、


長期的にどちらの国が繁栄するでしょうか。

答えは明かですね。




最近の研究では、ESGに配慮した企業の方が

配慮していない企業に比べてリターンが高い

という研究結果も出てきており、


投資の基準としてESGを重視する投資家は確

実に増えています。(世界最大の投資家であ

るGPIFもESGを投資の基準としています)




今後、企業のビジョンや将来計画にESGの観

点での指標や目標を掲げることは、企業自身

のブランディングや長期的な成長のためにも、


投資家からの資金調達のためにも必須の視点

となってくるのは間違い無いと言えます。





このように、SDGsとESGの違いは、SDGsはそ

の名の通りのゴールであり、


ESGはSDGsというゴールに向かって配慮すべ

き指標・判断基準と言えます。


そして、ESGに配慮した経営を行うことによ

り、企業価値やブランド価値も向上すると考

えられるのです。

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