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No.178(2023/9/15):期中レビュー基準の策定



こんにちは

大門綜合会計事務所スタッフです。

毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。

(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)



178回目の今回は、新たに策定される方向性

となった「期中レビュー基準」に関する情報

をお伝えします。

以下のような記事がありました。

<「期中レビュー基準」を策定へ>

経営財務 No.3620(2023.09.11号、リンク先は会員の

み)

引用、要約すると・・・、

・金融庁・企業会計審議会は、四半期開示の

見直しに伴う新たなレビュー基準、「期中レ

ビュー基準」の策定に向けての議論を行った

・第1・第3四半期の四半期開示に関する「一

本化」の方向性が示された

・日本公認会計士協会(JICPA)は、財務報

告の枠組みを説明し、現行の四半期レビュー

基準は「適正表示の枠組み」に基づくことを

明らかにした

というもの。

「期中レビュー基準」とは何か、そしてそれ

がなぜ必要なのかを理解するためには、まず

「監査」と「レビュー」の違いを理解するこ

とが重要です。

「監査」は、財務諸表が適切に表示されてい

るかを詳細に検証する作業であり、高い信頼

性を持つ意見を提供します。

簡単なイメージでお伝えすると、企業の数字

について、裏付けとなる根拠証憑との確認を

実施することにより数字の妥当性を検証しま

す。

一方で「レビュー」は、監査ほどの詳細な検

証は行わず、財務諸表に重大な誤りがないか

を中心に確認する作業となります。

同様に簡単なイメージとしては、企業の数字

について、根拠証憑の確認はせずに、分析的

手続と言われる各種の数字の分析により数字

の妥当性を検証するものとなります。

そのため、レビューによる結論は監査による

意見に比べて信頼性が低いとされます。

「期中レビュー基準」は、第二四半期の財務

情報に対するレビューの手順や方法を定める

もので、第二四半期の財務情報の信頼性を高

めることを目的としています。

また、「適正表示の枠組み」と「準拠性の枠

組み」の違いはどのようなものなのでしょう

か。

この点について、「適正表示の枠組み」とは

財務諸表が現実の経済的状況を正確に反映し

ているかを評価する基準を指します。

これは、企業の真の経済的状況を投資家やス

テークホルダーに正確に伝えるためのもので、

外部の監査人や規制当局による評価や監査の

対象となります。

一方、「準拠性の枠組み」とは、財務諸表が

特定の基準や規則に従って作成されているか

を評価する基準を指します。

JICPAは期中レビュー基準が「準拠性の可能

性が高い」と整理し、金融庁も期中レビュー

基準に準拠性結論の規定を盛り込む案を示し

ました。

つまり、期中レビューというものが、企業の

経済的状況を正確に伝えるほどの保証は必要

ないが、

期中レビューの基準に沿って実施する必要は

あるという、監査と比べると保証水準の低い

ものになる可能性が高いことを示しています。

この点に関しては、委員からの異論や懸念も

存在しており、引き続き検討が行われる予定

です。

以上、「期中レビュー基準」の策定に向けた

最新情報をお伝えしました。

新たな基準の導入は、企業の経営戦略やリス

ク管理の観点からも、

また投資家が投資をするうえで、企業の財務

数値をどのようにとらえるかという点で、今

後も注視が必要なものとなります。



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