こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部
統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。
(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる
メールマガジンの転載となります。)
145回目の今回は今週発表された日銀短観に
ついてお伝えします。
3カ月ごとに発表される日銀短観。ご紹介が
恒例となっていますが、
毎回読まれている方は今回の日銀短観がどの
ような結果となったか、世の中の流れからあ
る程度の想像はつくかもしれません。
<大企業製造業が4期連続悪化、非製造業は改善 日銀短観>
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB133310T11C22A2000000/
2022年12月14日 日経電子版
要約すると・・・、
・日銀が14日発表した12月の日銀短観で、大
企業製造業の景況感を示す業況判断指数(D
I)は前回の9月調査から1ポイント悪化し、
プラス7となった
・円安と資源高を背景とした原材料コストの
増加が景況感を下押しし、4四半期連続で悪
化した
・大企業非製造業は新型コロナウイルスの影
響緩和から3期連続で改善し、プラス19とな
った
となっています。
毎回お伝えしていますが、日銀短観は以下の
ようなものです。
①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3
か月ごとに実施しているアンケート調査
②調査項目は、
(1)「企業が自社の業況や経済環境の現
状・先行きについてどうみているか」などの
項目(判断項目)
(2)「売上高や収益、設備投資額といった
事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、
(3)物価見通し
(4)新卒者採用状況等々
③ ②(1)の「自社の業況」についての回答
から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi
on index)が最も注目されている
④「業況判断DI」は「自社の業況」につき
『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比
(%)を引き算した数値
⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな
るとマイナス方向に振れる。
⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな
いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。
短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に
景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞
き取る調査で、
対象が幅広く速報性も高いことから、景気の
現状や先行きを読む材料として注目されてい
るものです。
前回2022年9月3日発表の時点では、製造業が
悪化し、非製造業がプラスで、この点では今
回もその特徴は継続しています。
しかし、前回時点では円安が大幅に進んだ結
果、大企業製造業における今後の先行きが改
善しており、明るい兆しが見える状況でした。
しかし、今回は円安傾向は継続しているもの
の、中国経済の減速による輸出の減少に加え、
金融引き締めを続ける欧米の経済の見通しが
厳しく、輸出産業や素材業種の景況感が上向
かない状況が継続しています。
その結果、12月調査の大企業・製造業の業況
判断DIは9月調査の「先行き」見通し+9よ
り2ポイント悪化した+7となり、
9月時点での景況感の先行きは予想よりも悪
い結果となってしまっています。
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