top of page
DAIMON STAFF

No.132(2022/9/9): 収益認識基準の適用がもたらしたもの その3 ~経営等における留意事項~


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、経営、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。


(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによる

メールマガジンの転載となります。)


132回目の今回も、前回に引き続き収益認識

基準適用初年度の振り返り記事についてお伝

えします。



前回もお伝えしましたが、経営財務のNo.356

8に以下のような記事がありました。



<新経理実務最前線! Q&A 監査の硯場から第2回 収益認識基準の適用がもたらしたもの>

経営財務 No.3568(2022.08.22号 リンク先は目次のみ)



内容を要約すると、収益認識基準の原則適用

初年度を終えて最も影響があったのは


①一定の期間にわたり収益を認識する方法へ

の変更



②本人代理人の識別


の論点であったということ。



そして、①及び②のそれぞれについて、適用

されたことによる主な影響と検討された内容

について記載されています。


前々回は①に関して


収益認識基準の適用により、履行義務の充足

が一定の期間となるような建設業や受注ソフ

トウェア業においては、


適用の結果による売上の計上時期や原価管理

体制の整備に与えた影響は小さくなかったと

いうことをお伝えし、


前回は②の本人代理人の識別において検討す

べき主な内容として、商社ビジネスや不動産

賃貸業における水道光熱費の処理についてお

伝えしました。



今回は今後の経営等における留意事項につい

ても記載がありましたのでお伝えします。



結論から申し上げますと、今後の経営等にお

いては、


(1)ビジネスの履行義務を考え、履行義務を全

うすることは何かを常に考えていく必要があ


(2)M&A(企業買収)として非上場会社の買収

を行う際に、算定された企業価値が収益認識

基準に沿って正しく計上された収益により算

定されているかの検討が必要となる


という事です。


(1)については、例えば新規事業を展開する際

には、まずは顧客を特定し、そのビジネスの

履行義務は何なのかを把握したうえで、


履行義務を全うすることは何かを常に考えて

いかなければ、あるべき収益の額とは異なっ

た額の収益を計上することに繋がってしまい

ます。


また、(2)については、非上場会社を買収する

際の企業価値算定においては、非上場会社の

財務数値を元に算定がなされることとなりま

すが、


その財務数値が収益認識基準に沿って計上さ

れていない場合には、算定された企業価値が

正しい価値とはならない事となります。


結果として買収するか否かや、買収価額にも

影響するため、非上場だからと言って収益認

識基準を無視することは出来ないこととなる

と言えます。




このように、収益認識基準の適用により、顧

客にサービスや商品等を提供した際に稼いだ

売上高とは何かについて、


よりグローバルな物差しに近づいたと言え、

非上場企業の場合でもその存在は無視出来な

い状況にあると言えます。

Comments


bottom of page