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2年で4000億円が消えた会社とは?

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。



66回目の今回は日本郵政がオーストラリアの

子会社の事業の一部を売却した件についてお

伝えします。

先週、以下のような記事がありました。


<郵政、視界不良の国際戦略 豪部門売却後の実質価値ゼロ>

2021年4月21日 日経電子版



要約すると・・・、


・日本郵政は傘下のオーストラリアの国際物

流会社、トール・ホールディングスの一部事

業を現地ファンドに売却すると発表した


・トールの豪州とニュージーランドの企業向

け物流や宅配部門を現地投資ファンド「アレ

グロ」に780万豪ドル(約7億円)で売却する


・この部門は赤字が続いており、簿価と売却

価格の差額の減損処理などで計674億円を特

別損失として計上する


・6200億円で買収したトールは簿価を負債が

大きく上回る「実質価値ゼロ」の状態


・日本郵政は国内市場が先細る中、収益向上

への具体策を描けずにいる



というもの。



このトールという会社を日本郵政が買収した

のは2015年で、その際には高く評価されてい

ました。


その際の記事がまだ残っています。



<日本郵政、豪トール社買収を発表 物流世界5位に>

2015年2月18日 日経新聞


<財務相と総務相、日本郵政の豪社買収を評価>

2015年2月20日 日経新聞




上記の記事では日本郵政グループと、アジア

太平洋で最大の物流企業であるトールの組み

合わせは非常に強力で、


「世界でトップ5に入る物流企業となる」と

この買収にはかなりの期待がかけられており、


麻生太郎副総理・財務相や当時の高市早苗総

務相も評価していました。




しかし、わずか2年後の2017年には6,200億円

で買収したトールの株式を4,003億円減損処

理し


2007年の郵政民営化以来初の赤字となる大き

な要因となりました。


<郵政、初の赤字転落 前期最終400億円>

2017年4月26日 日経新聞



わずか2年の間に、4千億円が消えてなくなっ

たわけです。


そしてその後、当該部門の立て直しをするこ

とも出来ず、今回の売却となりました。



2015年のトール社買収M&Aは、郵政3社(日

本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)が上場

する直前に行われたものであり、


日本郵政株の需要を高める為に、ろくにトー

ル社の将来性を考えることなく実施されたM

&Aであるとも言われています。


トール社の件もあり、日本郵政の株は上場時

に一株2,000円弱であったものが、今では半

値以下となっています。



おそまつなM&A及びその後の統合作業(PM

I)のせいで上場時に株を購入した人は大き

く損をしたことになるのです。


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