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AIとOCRによる証憑突合効率化

更新日:2021年7月18日

こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

56回目の今回はAIの流れが監査法人にも押し

寄せていることについてお伝えします。



経営財務に以下のような記事がありました。



<あずさ 証憑突合作業の自動化ツールを全面展開>

経営財務 No.3493


要約すると・・・、


・有限責任あずさ監査法人は証憑突合作業の

自動化ツール「MatchingBot_ai」を開発し、

1月6日より全面展開したことを公表した。


・同ツールは,監査のDX推進の一環として,

監査現場の負担軽減を目的にあずさ監査法人

のDigitalInnovation部とKPMGIgnition Toky

oが共同開発したもの


・従来は数百から数千件もの会計記録(Exce

l)とそれに対応する根拠証憑類(PDF)との突

合作業を目視で行っていた


・AIと文字認識技術(OCR)を活用して自動化

し,その結果をわかりやすく可視化するとと

もに,監査調書用に使えるデータも生成する


・監査現場への同ツールの導入により,証憑

突合作業について「多くの件数をより正確に

短時間で完了させることが可能」となる


・監査の効率化のほか,不一致項目の見落と

し等のリスクの軽減に貢献し,監査の品質向

上にもつなげる



と言うもの。




会計監査においては、財務諸表に計上された

取引が実際に行われていることを確認するた

め、


数値の根拠証憑を入手し、数値が正しいこと

を確認するという手続が実施されます。


この作業を「証憑突合」と呼んでおり、売上

なら受注書や契約書、費用であれば請求書等

と確認することにより、


当該取引が、正しい金額で、正しい期間に計

上されていることを確認するというもので、

会計監査の基本となる手続です。



基本的な手続ゆえ、その手続に係る作業量は

時に膨大なものとなります。



その膨大な数値と根拠証憑の確認をAIにやら

せようというのが、今回の記事の内容です。



AIの推進は、会計事務所業界でもグローバル

に進められていますが、


日本の証憑は英語ではなく日本語で記載され

ているため、日本独自で開発する必要があり

ます。



記事によると、現段階での正答率は7~8割

とのことですが、AIが経験を積むことにより

精度が向上するとのことです。



さらに、あずさ監査法人は、PDFの改ざんリ

スクを検知するツールも開発・導入したとの

ことです。


これにより、人の目ではわからないPDF上で

の取引金額等の数値の上書き等を見抜くこと

が出来るようになりました。



監査法人業界も長時間勤務が問題となってい

る業界です。


AIを活用して、効率的に業務が行われ、人間

の判断が必要な領域により時間をかけられる

ようにしてもらいたいところです。


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