こんにちは
大門綜合スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
先日、なじみのお客様から、「日本のリース
基準はいつ変わるのか?」とのご質問を受け
ました。
そういえば、IFRSのリース基準は既に改訂が
行われておりますが(IFRS16号)、日本基準
はまだだったなと思い調べてみました。
現在の潮流からして、日本基準も収益認識基
準と同様にIFRSと同様の内容に改訂されるの
は時間の問題かと思われます。
少々前の記事ですが、日経でも以下のような
記事が出ています。
<リース取引を資産計上 会計基準変更、国際標準へ>
2019/3/7 日経電子版
リース基準がIFRSと同様となった場合、現在
の支払リース料を費用処理するという処理は
ほぼなくなり、
使用権という形で貸借対照表に計上すること
が必要となります。
その為、オフィスを賃貸しているほとんどの
企業に影響が出ることになります。
そう遠くない未来に施行が予想される日本の
新リース基準はどのようなものになるのか。
そのベースとなるIFRS16号はどのようなもの
で、現在の日本基準とどのような違いがある
のかをお伝えしたいと思います。
ご存知の通り、現在の日本のリース会計基準
においては、以下の3つの取引形態に分類さ
れています。
①所有権移転ファイナンスリース
(解約不能で、期間終了後に所有権移転)
②所有権移転外ファイナンスリース
(解約不能で、期間終了後に所有権移転しな
い)
③オペレーティングリース
(①、②以外のリース)
上記①~③について、日本基準においては細
かな違いはありますが①、②はリース資産を
資産計上し、
③は資産計上は行わずに、リース料を費用処
理するのみとなります。
しかし、IFRS16号においては、③についても
資産計上を行う必要が出てきます。
IFRS16号と日本基準の違いは、以下のような
考え方の違いから生じています。
日本基準の考え方・・・
①及び②は所有権が移転するか否かの違いは
あれど、実質的にリース対象物を所有してい
るのと同じである
↓
そのため
↓
実際にリース対象物を所有した場合と同様の
会計処理にしよう
↓
資産計上しなさい!
というもの。
そのため、オフィスの賃貸のように実質的に
リース対象物を所有しているとまでは言えな
い取引については
資産計上は行わずに賃借料を費用処理してい
ます(③のオペレーティングリース)。
これに対してIFRS16号では「所有権が移転す
るか否かや、実質的に所有していると言える
か否か」
という考え方はしません。
では、どのような考え方かと言うと、
IFRS16号の考え方は・・・、
リース取引を行った場合には、借手の企業は
「リース対象物を使用する権利を持ってい
る」
と考えます。
そう考えた場合には、期間終了後に所有権が
移転する社用車のリースであっても、オフィ
スの賃貸であっても、
「使用する権利を有している」
という点では同様となり、会計処理は同様の
ものとなるのです。
そのため、IFRS16号では所有権が移転するか
否かや解約可能か否かを問わず、使用権資産
として資産計上が必要となります。
今まで、支払リース料を費用処理するのみで
あった取引において、資産計上が必要となっ
てきますので、
企業によっては損益計算書、貸借対照表に大
きな影響が出てくるものとなります。
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