こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
48回目の今回も、前回までお伝えしている、
会計監査を受けている上場会社と受けていな
い非上場会社との、
会計監査の視点からの相違について、お伝え
しようと思ったのですが、ちょうど今週、日銀短
観が発表されましたので、
日銀短観についてお伝えしようと思います。
<日銀短観、設備投資・新卒採用に慎重 景況感は改善>
2020年12月14日 日経電子版
要約すると・・・、
・日銀が14日発表した12月の日銀短観では先
行きに慎重な企業の姿が浮き彫りになった
・2020年度の設備投資を全規模全産業ベース
でみると、前年度に比べ3.9%減で9月調査(2.
7%減)から下方修正
・新卒採用も21年度は大幅減の計画
・新型コロナウイルスの影響が長引くことに
備え、企業は守りを固めている
というもの。
日銀短観は以下のサイトで全文を確認できます。
<日本銀行HP>
そもそもですが、この日銀短観とはどのよう
なものなのでしょうか。
日銀短観を簡単にご説明すると以下のような
ものとなります。
①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3
か月ごとに実施しているアンケート調査
②調査項目は、
(1)「企業が自社の業況や経済環境の現
状・先行きについてどうみているか」などの
項目(判断項目)
(2)「売上高や収益、設備投資額といった
事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、
(3)物価見通し
(4)新卒者採用状況等々
③ ②(1)の「自社の業況」についての回答
から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi
on index)が最も注目されている
④「業況判断DI」は「自社の業況」につき
『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比
(%)を引き算した数値
⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな
るとマイナス方向に振れる。
⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな
いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。
このように、短観は3カ月に1度、日銀が全国
の約1万社に景況感や収益見通し、設備投資
計画などを聞き取る調査です。
対象が幅広く速報性も高いことから、景気の
現状や先行きを読む材料として注目されてい
ます。
上記、日経の記事ではあまり触れられていま
せんが、全産業&規模合計の業況判断は2020
年9月から13ポイント改善した-15で、
先行き(3か月後)の業況判断は-18と現在
の-15とさほど変わりません。
これは、2020年9月に比較して大きく業況は
改善したが、3か月後の業況については慎重
な見通しを立てているということになります。
ただし、少なくとも9月において景気は底を打っ
たと考えていると言えるでしょう。
日銀短観は企業が景気をどのように見ている
かのアンケートに過ぎませんが、日本の経済界
が、
景気をどのように考えているか、どのように予想
しているかが数値化されているものですので、今
後の景気動向をつかむヒントになると考えられます。

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