こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部
統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。
89回目の今回は今月発表された日銀短観につ
いてお伝えします。
<大企業景況感、製造業4ポイント改善 9月日銀短観>
2021年10月1日 日経電子版
要約すると・・・、
・大企業製造業の景況感を示す業況判断指数
(DI)はプラス18と前回の6月調査から4ポイ
ント改善
・改善は5四半期連続
・大企業非製造業の同DIはプラス2で小幅に
改善
・コロナ禍からの復調で足元の景況感は上向
いているものの、海外経済の減速や半導体不
足などの供給制約が先行きに重荷となってい
る
というもの。
おさらいになりますが、日銀短観は以下のよ
うなものです。
①日銀が全国の企業約1万社を対象として、3
か月ごとに実施しているアンケート調査
②調査項目は、
(1)「企業が自社の業況や経済環境の現
状・先行きについてどうみているか」などの
項目(判断項目)
(2)「売上高や収益、設備投資額といった
事業計画の実績・予測値など」(年度計画)、
(3)物価見通し
(4)新卒者採用状況等々
③ ②(1)の「自社の業況」についての回答
から作る「業況判断DI」((注)DI=diffusi
on index)が最も注目されている
④「業況判断DI」は「自社の業況」につき
『良い』から『悪い』と答えた企業の構成比
(%)を引き算した数値
⑤景気が良いとプラス方向に、景気が悪くな
るとマイナス方向に振れる。
⑥このため、業況判断DIを3か月ごとにつな
いでグラフ化すると、景気の波が読み取れる。
短観は3カ月に1度、日銀が全国の約1万社に
景況感や収益見通し、設備投資計画などを聞
き取る調査で、
対象が幅広く速報性も高いことから、景気の
現状や先行きを読む材料として注目されてい
るものです。
前回6月の短観では、ワクチン接種が進み、
今後のワクチン接種のスケジュールも見えて
きたことで、非製造業の景況感が5四半期ぶ
りに上昇しました。
前回に引き続き、大企業非製造業はプラス2
と前回のプラス1から小幅に上昇しています。
東京五輪・パラリンピックの警備需要などで
対事業所サービスが大きく改善したのが要因
となっています。
また、大企業製造業もプラス18と前回から4
ポイント改善しており、足元の景況感は上向
いていると言えます。
しかし、3カ月後の見通しを示す先行き判断D
Iは大企業製造業が4ポイント悪化のプラス14、
大企業非製造業が1ポイント上昇にとどまる
プラス3となっており、先行きの回復の足取
りは重い状況となっています。
要因としては、世界的なエネルギー、原材料
等の価格高騰の企業収益への影響や、半導体
不足などがあります。
また、中国の電力不足や不動産バブルの崩壊
リスク、米国の債務上限の引き上げをめぐる
財政リスクなどの不安要因も多く、
海外経済の減速が日本経済の回復の重荷とな
っており、今後の日本経済の回復には海外の
景気動向にも大きく影響を受けそうです。
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