コーポレートガバナンス・コードが改訂されます
更新日:2021年7月18日
こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。
新年一回目、第50回目の今回は、以前、再編
についてお伝えした東証における、コーポ
レートガバナンス・コード(CGコード)の改
訂についてお伝えします。
(CGコードとは何か?については、↓で解説
します。)
昨年の10月に、金融庁と東京証券取引所が、
CGコードの改定に向けた有識者会議の初会合
を開きました。
<DXで企業統治改革 金融庁・東証、指針改定へ議論>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65222910Q0A021C2EE9000/
2020/10/20 日経電子版
要約すると・・・、
・CGコードが2021年に3年ぶりの改定を予定
している。
・現在の1部にあたる市場再編後の最上位の
「プライム市場」に上場する企業に適用する
一段高い水準の指針を作成する
・親会社とともに子会社が上場する「親子上
場」のあり方なども議論する
というものです。
ここで、そもそもCGコードとは何か?ですが、
CGコードは企業統治指針とも呼ばれ、2015年
から上場企業に適用されているものです。
企業の利害関係者(ステークホルダー)が、
企業の統制や監視を行ううえで必要となる
ルールを取りまとめたもので、
原案は2015年に金融庁と東京証券取引所を中
心に定められました。
すなわち、企業の価値を高めるために、公平
な経営を継続して行うための仕組みがコーポ
レートガバナンス(企業統治)ですが、
企業統治を円滑に行うために企業がやるべき
ことをまとめたものがCGコードになります。
コード(指針)は「基本原則(5個)」「原
則(30個)」「補充原則(38個)」の3部、
計73原則で構成されています。
(CGコードの原文は東証の以下に掲載されて
います。
https://www.jpx.co.jp/news/1020/nlsgeu000000xbfx-att/nlsgeu0000034qt1.pdf)
上記の説明だけではちょっとわかりづらいか
と思いますので、例を挙げてみます。
例えば【原則4-8.独立社外取締役の有効
な活用】には要約すると以下のようなことが
規程されています。
・独立社外取締役を2名以上を選任すべきで
ある。(注1)
・業種等を勘案して必要と考えられる会社は、
上記にかかわらず十分な人数の独立社外取締
役を選任すべきである。
(注1:今年の改訂により2名以上から取締役
全体の3分の1以上に引き上げられる見通し)
株主利益を重視した経営をするために、社内
のみに目が行きがちな、社内取締役のみでは
なく、
客観的な視点で株主利益を重視した経営策が
出せる社外取締役を一定人数以上選任すべき
だという趣旨の指針となります。
これに対して、上場企業は「コーポレート・
ガバナンスに関する報告書」という報告書を
提出・公表し、
その中で、上記の原則に対して、どのように
対応しているかを公表する必要があります。
例えば、上記の原則4-8については
・当社は社外取締役を2名選任しており、原
則で必要とされる条件を満たしております。
等のように、CGコードを守っているのかどう
かを記載・公表することになります。
CGコードは法律ではないため、必ずしも守ら
なければならないものではありません。
ただし、上述のように、投資家へ公表される
ものであるため、
守っていない場合にはコーポレートガバナン
スの意識が低い企業であることが公になって
しまう事となってしまい、
ひいては、株式価値・企業価値の低下の要因
となってしまいます。
