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SPACによる唐突な業績下方修正



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。


79回目の今回は以前もお伝えしたSPACにおい

て、ショッキングな下方修正の記事がありま

したのでお伝えします。


<SPAC懐疑論者の警告が現実に-上場後初決算で唐突な業績下方修正>


Bloomberg 2021年7月29日


要約すると・・・、


・SPACとの合併によって上場した米リハビリ

サービス会社のATIフィジカル・セラピー

が上場後初の決算発表で売上高見通しを大幅

に下方修正した


・決算資料にはバランスシートもキャッシュ

フロー計算書もなく、業績見通しが突然下方

修正されたことへの十分な説明もなかった


・ATI株は2日間で54%下落した


・少なくとも5つの法律事務所が直ちに、損

失を被った投資家に対して証券詐欺の調査へ

の協力を呼び掛けるプレスリリースを出した


・ATIのような事例はSPACのリスクを浮き彫

りにし、スポンサーらにより徹底的なデュー

デリジェンスを迫る可能性もある


というもの。




2020年11月20日にもSPACについてお伝えしま

した。


おさらいになりますが、SPACとは


①著名な投資家や投資銀行等で投資実績のあ

る人物が自己資金でSPACを設立・運営


②設立者が投資家から資金を集めて上場


③上場後24か月以内に非上場の会社を買収し、

非上場企業を上場した形にする


というもので、



投資家からすれば、著名だったり投資実績の

高い目利きである運営者が選んだ非上場企業

(買収により上場化)に投資でき、


高いリターンが期待できるというメリットが

あります。


また、買収される非上場企業にとっては、投

資家を集めたり、社内体制の構築、証券会社

等の利害関係者への手数料支払など、


複雑で時間とコストのかかる上場準備・上場

プロセスを経ることなく、実質的に上場が出

来るというメリットがあります。


近年、そのメリットに注目が集まり、2020年

は多くのベンチャーキャピタル・ファンドが

SPACに興味を示したため、


アメリカではSPACの上場件数は2019年(59

件)の2.6倍、2015年(20件)の7.8倍である

159件と、まさに急増している状況です。



今回の記事は、非上場企業のメリットのうち

複雑で時間とコストのかかる上場準備・上場

プロセスや社内体制の構築を



経ずに上場してしまったことが今回の唐突な

下方修正の原因となっていると考えられます。



決算資料にバランスシートやキャッシュフ

ロー計算書が無いというのは、通常の上場会

社では考えられないことであり、


上場準備プロセスにおいて社内で構築される

べき社内の決算体制が整っていないことを表

していると考えられます。


このような企業が増えてしまうと、投資家が

不測の損失を被り、ひいては市場の信頼性が

損なわれてしまう可能性があります。


その為、通常は複雑で時間とコストのかかる

上場準備・上場プロセスが企業に求められて

いるのです。

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