こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部
統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。
96回目の今回は、皆さんもご存知かと思いますが、
1人で170億円の横領が発覚したとのニュースが
ありましたのでご紹介します。
<在宅勤務、監視の穴突く 詐欺容疑のソニー生命社員>
2021年12月1日 日経電子版
要約すると・・・、
・ソニー生命保険の海外連結子会社の銀行口
座から約170億円を外部の口座に不正送金し
たとして、社員を詐欺容疑で逮捕した
・容疑者は在宅勤務中に社内の正規な手続き
を経ずに送金手続きに及んだとみられる
・資金は全額米国の銀行口座に送金され、そ
の後の行方は判明していないもよう
・同課は米連邦捜査局(FBI)と連携し、資
金の行方や不正送金に及んだ動機などの解明
を進める方針
・同課は社内の業務監視体制の穴を突いて多
額の資金を詐取したとみて、経緯を調べてい
る
というもの。
このニュースを見た際には、不可解な事が多
すぎるなと感じました。
・まず、金額が個人の不正にしては大きすぎ
る
・会社から別口座へ送金したのであれば、す
ぐに発覚してしまう
・送金が行われたのは今年の5月であり、発
覚は送金の翌日であるにも関わらず、逮捕さ
れたのは11月末というタイムラグ
・送金された資金の行方はわかっていない
・送金は上司の承認が無ければ出来ない仕組
みになっており、容疑者は承認があったよう
に偽装したとのことだが、個人のレベルで偽
装等できるのか
などなど、通常の横領等の不正とは異なる点
が多すぎると感じます。
資金が流出した海外子会社は清算手続中であ
り、通常の内部統制とは異なる環境にあった
とは考えられますが、
170億円という大金が個人で送金出来る状況
というのは、
ソニーフィナンシャルホールディングス株式
会社という上場会社の100%子会社で起こる
とはなかなか想像しづらいものです。
また、このようにすぐに発覚してしまうよう
な大胆な不正をするには、通常の不正の動機
とは別な動機があったのではないかと邪推し
てしまいます。
(最近話題の日大理事長の脱税容疑の金額が
5,300万円であることと比較しても大胆過ぎ
ると感じます。)
現状、この事件については詳細がわからない
状況であり、不正の原因を分析出来ない状況
ですが、
今後、続報がありましたらご紹介、及び原因
分析をしてみたいと思います。
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