No.94(2021/11/19): 過剰開示の落とし穴と大企業病

更新日:2021年11月24日


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。

94回目の今回は企業の開示制度についての記

事がありましたのでご紹介します。

<なんでも開示に落とし穴>

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77626920W1A111C2EN8000/

2021年11月17日 日経電子版

要約すると・・・、

・株主や投資家が企業を知るための最重要手

段が開示制度

・会社法から始まり、上場企業なら金融商品

取引法、取引所ルールまで、広範多岐で微細

な規制が整備されている

・企業統治指針(CGコード)や気候変動に対

する国際的なルール作りなど、最近はこれら

が一段と強化・拡充されつつある

・だが、企業の負担増大や、膨大で詳細な開

示を読みこなせる投資家がどれほどいるか、

などの悩ましい点もある

・なんでも開示すればよいという思いが「寄

らしむべし、知らしむべからず」の結果を招

いているのではないか

・岸田文雄首相が施政方針で掲げた四半期開

示の緩和は、企業の負担と真の投資家ニーズ

を理解した英断であり評価したい

というもの。

この記事を読んで個人的には同感する部分も

多くあります。

上記要約にもありますが、最近はGCコードや

気候変動やサスティナビリティに関する開示

についての議論が新聞を賑わせており、

これらの開示を誰がどれだけ読むのか?と疑

問に思うこともあります。

しかも、開示するからには責任が伴うため、

開示における作業は非常に膨大なものとなり

ます。

このような結果になっている理由の1つとし

て、省庁や大手企業の大企業病とも呼べるべ

き特性が背景にあると考えています。

記事のような開示ルールというのは、基本的

には何か不正等の事件が起こることで開示が

必要となることが多いです。

事件が起こった後に、事件に対しての改善策

は策定されたのか?と省庁においては上席者

から確認を受けます。

その改善策として「新たなルールを作り、そ

れを開示させることにしました」と言えば、

とりあえずは改善策を講じたことになり、や

ってる感は出ます。

似たような事例があなたの会社にもあるので

はないでしょうか。

例えば、何か業務上のミスや事故が起こった

際にそのような事故が起こらないようにチェ

ックリストを作成して、

今後はそのチェックリストで確認することを

業務に追加する、などです。

もちろん、必要なことはチェックリストを作

成してきちんとチェックすることは必要です。

ただ、本当にチェックが必要か、開示が必要

なのかという点を都度見直して、

不要、または重要性が高くない事項について

は適宜削減していかないと、

開示及びチェックリストを作成することが目

的化してしまい、チェックの精度自体も低下

してしまいます。

その結果が意味のない不毛な業務が増加して

いる、と感じることはないでしょうか。(私

が大企業にいた時は非常にそれを感じていま

した。)