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No.88(2021/10/8): デュー・デリジェンスが必要な理由


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部

統制関連の基礎やTips等をお伝えしています。



88回目の今回はM&Aにおいてなぜデュー・デ

リジェンスが必要になるのかについてお伝え

します。

M&A(企業・事業の合併や買収)において、

デュー・デリジェンスが必須ということは、

聞いたことがあると思います。

そもそも、デュー・デリジェンスとはどのよ

うなものなのでしょうか。

デュー・デリジェンスという言葉を聞いたこ

とはあっても、具体的にどのようなことをや

るのかはわからない

という方もいるでしょう。

そもそも、デュー・デリジェンスは英語の"D

ue Diligence"をそのままカタカナにしたも

ので、

Due(適切な・正当な)、Diligence(注意・

努力)の意、らしいです。

つまり「適正な注意を払って遂行される調

査」を意味するもので、 DD と呼ばれること

も多いです。

(ちなみに、私はこの英語を聞いて、日本語

訳がイメージ出来ず、

「デュー・デリジェンス」と聞くと、よく思

考が停止していました・・・)

つまりM&Aを行う前に、買収や合併対象会社

に対して調査を実施し、

対象会社に致命的な問題等が無いかどうかを

事前に確認しておくことが主目的となります。

イメージとしては、結婚前(M&A前)に探偵

を雇って(弁護士や税理士、会計士を雇っ

て)、身元調査をするようなものかもしれま

せん。

DDには対象企業に法的な問題が無いかを確認

する法務DD、財務・税務のリスクが無いかを

確認する財務DD、税務DD、

その他ビジネスDDやITDD等があります。

法務DD及び財務DD、税務DDを行うのが一般的

ですが、DDには結構費用がかかります。

それぞれ50~100万円"以上"かかるのが一般

的で、会社の規模が大きくなれば数千万円か

かる場合もあります。

また、DDは比較的タイトな日程で行われるこ

とが多いです。

なぜなら、DDは買収しようとする会社と買収

される会社との間で、買収についてある程度

合意した後に実施されるため、

時間をかければかけるほど、最終的な買収完

了時期が遅くなってしまうからです。

そのため、タイトな期間に大量の資料(一般

的な財務DDにおいては過去3年分程度)を提

出し、専門家が調査することとなります。

専門家はもちろんのこと、買収対象会社の担

当者にも相当な負荷がかかることとなります。

どうしてそこまでしてDDを行うかと言えば、

買収後に買収した会社にとんでもないリスク

があったら困るからです。

(結婚相手に内緒の多額の借金があったら困

るのと同じかと思います。事前に知っていて

結婚するのとは大違いです。)

DDが不十分だったことによるM&Aの失敗は意

外に多くあります。

・海外の医薬品会社を買収したが、当該医薬

品会社が管理体制の問題を抱えており、メイ

ンの市場のアメリカへの販売が出来なかった

事例(第一三共)

・買収した会社の子会社の不正会計が発覚し、

子会社が破産した事例(LIXIL)

・DD手続を実施してみたら、そもそも買収対

象会社が会社として設立されていなかった例

もあります(海外の事例)

特に海外の企業をM&Aする時にはリスクは非

常に高まると言えるでしょう。

このように、M&Aは一般的に多額の金額を使

って事業や企業を買収することとなるため、

事前の調査を十分に実施し、M&A後に想定外

の事態が起こらないようにすることが非常に

重要となるのです。

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