No.77(2021/7/16): インサイダー取引はどのようにして発覚するのか

更新日:4月20日


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連のTips等をお伝えしています。

77回目の今回は上場株式のインサイダー取引

についてお伝えします。

インサイダー取引をすべきでない理由は、バ

レる可能性が非常に高いからです。

バレない方法もあるかもしれませんが、非常

に危険であるため、仮にあなたがインサイ

ダー情報を得たとしても、やらない方が賢明

です。

今回はどのようにしてインサイダー情報がバ

レてしまうのかをお伝えします。

そもそも、インサイダー取引とはどのような

取引のことを言うのでしょうか。

インサイダー取引とは・・・、

「上場会社等の株価を変動させるような重要

な内部情報を知る者が、情報が公表される前

に会社の株券や新株予約権を売買すること」

を意味します。

金融商品取引法、第百六十六条において、こ

のような取引はその重要事実が公表がされた

後でなければ取引してはいけないと規定され

ています。

インサイダー取引を規制している理由は、投

資家保護と市場の信頼性を確保するためです。

内部情報を知っている者が得をするようでは、

他の投資家が損失を被る可能性がありますし、

一般投資家が安心して取引が出来る市場環境

を整えるために、証券取引等監視委員会が、

監視を行っているのです。

では、なぜインサイダー取引はやめた方が良

いかと言うと、以下の2つの理由によります。

①バレる可能性が非常に高い

②バレた場合の失うものが大きい

からです。

①については、

「株取引をやっている人は数えきれないくら

いいるのだから、自分一人くらいインサイ

ダー取引をしてもバレないだろう」

と思っている人もいるかもしれません。

しかし、おそらくバレます。

その理由は、証券取引等監視委員会は、重要

事実が発表された全ての銘柄を対象に、日々

の売買動向の分析をし、

疑わしい取引があった場合には全ての取引を

監視しているからです。

具体的には重要事実が公表された銘柄を抽出

し、怪しい取引については、証券会社に売買

委託者の注文データの提供を依頼、

会社関係者の有無や重要事実の公表から見て

タイミングの良い取り引きがないかなど細か

な調査を行うのです。

例えば、あなたが大学時代の友人の山田さん

と飲みに行った際に、

山田さんの職場である上場会社Aが近いうち

に別の上場会社B社を株式公開買付(TOB)す

ると聞いたとします。

TOBは現在の市場価格(仮に単価1,000円)よ

りも高い価格(仮に1,200円)で対象会社

(この場合B社)を買収することが一般的で

すので、

現在の市場価格より高い買付価格まで、B社

株価は上昇する可能性が非常に高いです。

それを知っているあなたは、自分の証券口座

ではなく、奥さんの口座でB社株を単価1,000

円で購入したとします。

予想通り、B社株は上昇し、TOBが完了する前

に単価1,180円で売り抜け利益を得られまし

た。

上記の場合には、証券取引等監視委員会は、

A社によるB社TOBが公表される前に株式を購

入し、

TOBが完了する前に売り抜けた取引が無いか

を証券会社にデータ提供を依頼し、精査する

のです。

上記のように、証券口座があなたの奥さんの

口座であったとしても、証券取引等監視委員

会は、

夫であるあなたが、A社従業員の山田さんと

大学の友人であるところまで簡単に突き止め

ます。

上記の例は、情報元が大学の友人であったり、

取引口座が奥さんであったり、割と近い関係

なので、簡単にバレると思いますが、

遠い関係者からの情報であっても、少しでも

関係があればバレると思って良いでしょう。

このように、取引自体が怪しいので、証券取

引等委員会はあらゆる関係性を洗い出して調

査してきます。

そのため、仮にインサイダー情報を得たとし

ても、それを元に取引をすることは避けるべ

きでしょう。