No.244(2026/01/16):【会社法監査の基礎③】必要なのに受けていない…放置のリスクと取締役の責任
- DAIMON STAFF
- 1月16日
- 読了時間: 3分
更新日:6月12日

こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
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本シリーズ「会社法監査の基礎」(全10回)の第3回です。今回は、必要なのに受けていない…放置のリスクと取締役の責任についてお伝えします。
一定規模を超えた会社、いわゆる大会社では、会計監査人を置き、その監査を受けることが会社法で義務づけられています。大会社とは、最終事業年度の貸借対照表上、資本金が五億円以上、または負債の合計額が二百億円以上の株式会社を指します。事業の拡大や借入の増加によって、ある事業年度から突然この基準に該当することは珍しくありません。「うちは非上場だから関係ない」と考えておられた会社が、気づかぬうちに義務の対象になっている、という場面を実務でよく見かけます。
問題は、この義務を満たしていない状態が、単なる手続きの遅れにとどまらない点にあります。会社法は、会計監査人を選任すべきときに選任を怠った場合などについて、過料の制裁を定めています。過料は取締役個人に科されうるものであり、会社の費用で穴埋めできる性質のものではありません。金額の多寡以上に、法令上の義務を果たしていなかったという事実そのものが、後々まで記録として残ることになります。
さらに重く受け止めていただきたいのが、取締役の善管注意義務との関係です。取締役は、会社に対して善良な管理者としての注意をもって職務を行う義務を負っています。法律で求められている監査体制を整えないまま事業を続けることは、この義務に照らして問題を指摘されかねません。仮に会計上の誤りや不正が後から発覚した場合、「監査を受けていれば防げたのではないか」という観点から、経営陣の責任が問われる余地が生まれます。義務を放置することは、会社のリスクであると同時に、経営者自身のリスクでもあるのです。
加えて見過ごせないのが、対外的な信用への影響です。銀行は融資審査の際に、その会社が法令を遵守し、適正な財務報告体制を備えているかを重視します。会計監査人による監査を受けた計算書類は、その信頼性を裏づける有力な材料となります。逆に、本来必要な監査を受けていない状態は、取引先や株主に対しても、ガバナンスへの不安を抱かせる要因になりかねません。
大切なのは、これらを脅しとして受け取るのではなく、企業として備えるべき課題として捉えることです。自社が大会社の基準に近づいていないか、すでに該当していないかを、まず一度確認してみてください。早めに体制を整えておけば、慌てて対応する必要はなくなります。次回は、会計監査人をどのように選び、いつまでに選任すればよいのか、その具体的な手順を整理してご説明します。
会社法監査が必要かどうかの判断や、初めての監査対応のご不安は、経験豊富な公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・保証業務、初回のご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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