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No.208(2025/7/4):組織再編税制の基礎2

更新日:2025年8月27日



こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。

毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによるメールマガジンの転載となります。

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第208回の今回は、「税務通信3851号『ゼロから

はじめる組織再編税制』第2回 組織再編成っ

てなに?」を参考に、組織再編の残る4手法

について解説いたします。


第1回では「合併」「分割」についてご紹介

しましたが、組織再編税制ではその他にも

「現物出資」「現物分配」「株式交換」「株

式移転」の4つの手法が規定されています。

いずれも会社法に基づいた行為であり、税務

上の課税関係を踏まえて慎重な検討が必要と

なる重要なスキームです。


今回はこれら4手法について、基本的な仕組

みと活用例を中心に確認していきます。


現物出資とは、金銭以外の財産を会社に出資

する行為です。たとえば、親会社が子会社に

対して有する貸付金を出資することにより、

子会社の債務が消滅し、財務体質の改善を図

ることができます。これは「デット・エクイ

ティ・スワップ(DES)」とも呼ばれ、債務

超過状態の改善や資本増強の手段として有効

です。


現物分配は、剰余金の配当として金銭ではな

く資産を交付する手法です。たとえば、子会

社が保有する株式を親会社に現物分配すれば、

孫会社を子会社化することが可能です。一般

的に「現物配当」と呼ばれることもあります

が、法人税法上は「現物分配」という用語を

用います。株式の移転を伴うグループ再編に

おいて柔軟に利用できるスキームです。


株式交換は、他社の発行済株式のすべてを取

得し、100%親子関係を構築する手法です。

たとえばA社がB社の全株式を取得することで、

B社はA社の完全子会社となり、グループ再編

やM\&Aの場面で活用されます。現金を用いず

に親子関係を築ける点が特徴です。


株式移転は、新設する会社が既存会社の発行

済株式を取得する形で行われ、いわゆる「持

株会社」を設立するための手法です。たとえ

ば、A社とB社が株式移転を行い、P社という

新設会社の傘下に入ることで、経営統合を実

現することが可能です。また、中間持株会社

を新たに設立する際にも使われます。


これらの手法は、同じ目的を達成するために

複数の選択肢が存在することがあります。た

とえば、子会社を孫会社化するには、株式交

換や分割が、孫会社を子会社化するには、現

物分配や分割が用いられることがあります。

もちろん、単純な株式譲渡でも同様の構造を

作ることは可能です。


したがって、どの手法を採用するかは以下の

観点から総合的に判断する必要があります。

・会社法の観点から:手続きの要件、所要期間

・税務の観点から:課税関係の有無、税額の見積もり

・その他の観点から:事務負担、社内リソース、専門家報酬などのコスト


目的に対して最も効率的でコストパフォーマ

ンスの高い方法を選ぶことが、成功する再編

スキームの鍵となります。


次回は、こうした再編手法の税務的な取り扱

いや、適格・非適格の区分が実務にどのよう

な影響を与えるかについて掘り下げて解説し

ていく予定です。


それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

 
 
 

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