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No.208(2024/05/24):【VC条項②】適用の4要件――子会社・関連会社に該当しないための要件(適用指針第22号)


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大門綜合会計事務所スタッフです。



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本シリーズ「VC条項(連結範囲の例外)」(全5回)の第2回です。今回は、適用の4要件――子会社・関連会社に該当しないための要件(適用指針第22号)についてお伝えします。



適用指針第22号は、ベンチャーキャピタルなどの投資企業や金融機関が、支配の要件(議決権の過半数所有など)を満たすほどに他の企業の株式や出資を有している場合であっても、一定の要件をすべて満たすときは、その企業を子会社に該当しないものとして取り扱うことを認めています。これがいわゆるVC条項であり、第16項(4)に定められています。ここでいう投資企業とは、投資先の事業そのものによる成果ではなく、売却による成果を期待して投資価値の向上を目的とする業務を専ら行う企業を指します。たとえば投資育成を専業とする投資企業や投資事業組合、事業会社が新規事業創出のために設けるコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)などがこれにあたります。投資育成や事業再生を図りキャピタルゲインの獲得を目的とする営業取引として、あるいは銀行などが債権の円滑な回収を目的とする営業取引として株式等を保有している、という点が出発点になります。


その上で、子会社に該当しないとされるためには、第16項(4)①から④の要件をすべて満たす必要があります。一つでも欠ければ通常どおり子会社として連結の範囲に含まれますので、各号の意味を正確に押さえることが重要です。


第一に、①売却等により当該他の企業の議決権の大部分を所有しないこととなる合理的な計画があること、です。投資はあくまで一時的な保有であり、最終的にイグジット(出口)することが前提でなければなりません。漠然とした方針ではなく、合理的と認められる具体的な計画の存在が求められます。第二に、②当該他の企業との間で、当該営業取引として行っている投資又は融資以外の取引がほとんどないこと、です。投資・融資という本来の営業取引を超えて、商取引などの関係が広がっている場合は、単なる投資先とはいえなくなります。第三に、③当該他の企業は、自己の事業を単に移転したり自己に代わって行うものとはみなせないこと、です。実態として自社の事業の受け皿となっている企業は、投資育成の対象とはいえません。第四に、④当該他の企業との間に、シナジー効果も連携関係も見込まれないこと、です。事業上の相乗効果や連携を目的とする保有は、キャピタルゲイン目的の投資とは性質が異なるためです。


これらは、投資育成を目的とする保有なのか、それとも事業上の支配を目的とする保有なのかを見分けるための要件といえます。結論の背景である第41項(1)から(4)でも、各要件の趣旨が同様に説明されています。なお、株主総会その他これに準ずる機関を支配する意図が明確と認められる場合は、要件を満たしても子会社に該当する点に留意が必要です(第42項)。また、なお書きにあるとおり、投資企業や金融機関は実質的な営業活動を行っている企業であることが必要であり(第43項)、企業集団内の他の連結会社についても②から④を満たすことが適当とされています。関連会社についても、第24項に①から④と同旨の取扱いが定められており、重要な影響を与える意図が明確な場合を除いて関連会社に該当しないものとされます。判定の枠組みは、子会社と関連会社で共通していると理解しておくとよいでしょう。



自社の連結範囲の判定(投資先が子会社に当たるか、VC条項を適用できるか)にご不安があれば、連結に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の会計監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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