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第201回の今回は、2025年の経済・政治情勢
において注目すべきイベントと、それが企業
戦略に与える影響についての記事がありまし
たのでご紹介します。
<25年も波乱 注目イベント点検>
2024年12月28日 日経ヴェリタス
要約すると以下のような内容となります。
世界の注目イベントとその影響
2025年は、政治、経済、国際関係において波
乱含みの年になると予測されています。以下
に、特に注目すべきトピックを整理しました。
1. 米国の関税政策とインフレ
2025年の米国では、移民規制強化や石油採掘
の拡大、そして中国やカナダ、メキシコへの
関税引き上げが議論されています。
この政策は、短期的にはインフレを抑える効
果がある一方で、貿易コストの増大による物
価上昇や景気減速が懸念されています。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の試算では、
この関税引き上げが米国の国内総生産(GD
P)を2027年までに1.1%押し下げる可能性が
あるとされており、企業は新たな貿易戦略や
生産コストの最適化を迫られるでしょう。
2. 日本の参議院選挙と政治動向
2025年7月に予定されている日本の参議院選
挙では、少数与党となった自民党が維新の会
との協力を模索する動きが見られます。この
結果次第では、財政政策や予算編成に大きな
影響を及ぼす可能性があります。
企業にとっては、税制改革や補助金政策の変
化に備える必要があり、特に内部統制や将来
計画の見直しが重要となるでしょう。
3. 日銀の利上げと為替相場
2025年1月以降、日銀が利上げを行うという
見方が強まっています。しかし、米国が緩や
かな利下げを続けているため、この動きが為
替相場に与える影響も注視すべきです。
急激な円高や円安のどちらも、輸出入企業の
収益構造に大きな影響を及ぼす可能性があり
ます。
4. 日産とホンダの経営統合
日産自動車とホンダが2026年8月を目標に持
ち株会社を設立する計画を進めています。こ
の統合は、2025年10月のジャパンモビリティ
ショーで具体的な協業案が示される「中間地
点」を迎える予定です。
統合が実現すれば、競争力の強化とコスト削
減が期待されますが、市場からの圧力や予期
せぬリスクへの対応が課題となるでしょう。
5. その他の国際的な政治変動
韓国では尹錫悦大統領の弾劾訴追案が進行中
で、憲法裁判所の判断次第では政権交代が発
生する可能性があります。
また、ドイツの連邦議会選挙ではキリスト教
民主・社会同盟(CDU・CSU)が支持率トップ
となっているものの、単独過半数の獲得は難
しく、新政権の安定性に懸念が残ります。
2025年も変化に富んだ年となりそうですが、
これらの変化に対応するため、企業は戦略的
な対応が不可欠です。例えば以下のような対
応が必要となるでしょう。
1. リスク管理の強化
グローバルな貿易環境や為替変動の不確実性
に備えるため、シナリオプランニングの活用
が求められます。企業は複数のシナリオを想
定し、それぞれに応じた対応策を検討する必
要があります。
また、リスクの影響を最小限に抑えるため、
サプライチェーンの多様化や重要部品の調達
元の再評価も重要です。
2. 持続可能な成長戦略
企業統合や協業が進む中、短期的な利益に固
執するのではなく、長期的な競争力を維持す
るための投資を優先する必要があります。
特に、デジタルトランスフォーメーション
(DX)やグリーンテクノロジーへの積極的な
取り組みが、企業の評価を大きく左右するで
しょう。
3. 政策変更への柔軟な対応
税制改革や規制の変更に迅速に対応する能力
が、企業の競争力を左右します。
特に、日本の参議院選挙後に税制や労働政策
の変更が予想される中、社内の財務計画や人
事政策を適切に見直す必要があります。
専門家との連携や法改正情報の収集体制の構
築も効果的です。
4. 財務体質の強化
日銀の利上げや為替変動の影響に備え、財務
健全性を高めることが急務です。資金調達コ
ストの増加や為替リスクの高まりに対応する
ため、資金繰り計画を見直し、為替リスクヘ
ッジを活用することが求められます。
5. 労働市場への対応
移民規制の強化や国内の賃上げ圧力が高まる
中、優秀な人材を確保するための戦略が重要
になります。
リモートワークや柔軟な働き方の導入、従業
員満足度を向上させる施策を進めることが、
競争優位性を保つ鍵となるでしょう。
6. 社会的責任(CSR)の強化
株主や投資家からのプレッシャーが高まる中、
企業の社会的責任(CSR)の取り組みが経営
戦略の中心となりつつあります。
環境への配慮や地域社会への貢献を具体的な
施策として展開し、企業イメージの向上を図
ることが重要です。
以上のような対応等をすることにより、適切
なリスク管理と成長戦略を両立させ、長期的
な競争力の維持の一助となればと思います。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。
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