こんにちは
大門綜合会計事務所スタッフです。
毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。
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金曜担当の私からは、会計、経営、財務、税
務、監査、内部統制関連の基礎・Tips・ニ
ュース等をお伝えします。第XXX回の今回は、
「ペーパー会社の設立とマネーロンダリング
に関するリスクと対策」についてご紹介しま
す。
2024年12月、京都市伏見区の府営住宅の一室
に設立されたペーパー会社(ペーパーカンパ
ニーとも言われます)が、マネーロンダリン
グ(資金洗浄)に悪用されていた事件が報じ
られました。中国籍の会社役員ら3人が、活
動実態のない会社を設立し、他人に利用させ
る目的を隠して金融機関で法人口座を開設し
た疑いで再逮捕されています。
ペーパー会社とマネーロンダリングの手口
ペーパー会社とは、実質的な事業活動を行っ
ていない法人を指し、しばしば違法な資金の
隠匿や洗浄に利用されます。今回のケースで
は、府営住宅の一室に設立された合同会社が、
投資詐欺の被害金を含む不正資金の入出金に
利用されていました。このようなペーパー会
社を通じて不正に取得した口座は、犯罪グ
ループ間で売買され、マネーロンダリングに
使われることが多いとされています。
マネーロンダリング対策の重要性
金融庁は、銀行の預金口座がマネーロンダリ
ングに不正利用される事案が多発している問
題を受け、官民一体で金融犯罪対策の強化に
乗り出しています。警察庁や業界団体と連携
し、個人口座の利用目的を確認する取り組み
への協力を呼びかけ、金融機関側に体制整備
の状況を確認することで、口座の悪用阻止に
つなげる方針です。
企業としての対応策
企業がマネーロンダリングに関与するリスク
を低減するためには、以下の対策が重要です。
1. 顧客確認(KYC)の徹底: 取引先や顧客の
実態を正確に把握し、疑わしい取引を未然に
防ぐことが必要です。
2. 内部統制の強化: 不正な取引や資金移動
を検知するための監視体制を整備し、定期的
な監査を実施することが求められます。
3. 従業員教育の徹底: マネーロンダリング
に関する知識や対応策について、従業員への
継続的な教育を行い、組織全体での意識向上
を図ることが重要です。
4. 法令遵守の徹底: 関連法規やガイドライ
ンを遵守し、適切な手続きを踏むことで、法
的リスクを回避することが必要です。
これらの対策を講じることで、企業はマネー
ロンダリングに巻き込まれるリスクを低減し、
社会的信用を維持することができます。特に、
ペーパー会社の設立や不正な口座開設に関与
しないよう、内部統制とガバナンスの強化が
求められます。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。
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