No.197(2024/03/08):【新リース会計基準⑥】使用権資産・リース負債の当初測定と事後測定
- DAIMON STAFF
- 2024年3月8日
- 読了時間: 3分
更新日:6月12日

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本シリーズ「新リース会計基準」(全10回)の第6回です。今回は、使用権資産・リース負債の当初測定と事後測定についてお伝えします。
前回までで、これまで費用処理してきたオペレーティング・リースの多くが、新基準のもとでは資産と負債として貸借対照表に計上されることをご説明しました。今回は、その計上額をどのように測定するのか、当初測定と事後測定の二つの場面に分けて具体的に見ていきます。
まず当初測定です。リース負債は、リース期間にわたって将来支払う未払リース料を、一定の割引率で現在価値に割り引いた金額で計上します。割引率には、原則としてそのリースに固有の利子率を用い、それが容易に把握できない場合には借手の追加借入利子率を用いることになります。将来の支払総額そのものではなく、現在価値に引き直す点が出発点であり、ここで用いる割引率の見積りが計上額を大きく左右します。
次に使用権資産です。これはリース負債の計上額を基礎としつつ、契約締結前後に前払いしたリース料を加え、リース開始にあたって生じた付随費用、たとえば手数料などを加算します。さらに、契約終了時に資産を元の状態に戻す原状回復義務がある場合には、その見積額も使用権資産に含めて測定します。つまり使用権資産は、単なる負債の裏返しではなく、リースを使い始めるために要したコストを総合的に反映した金額になります。
続いて事後測定です。使用権資産は、原則としてリース期間にわたって減価償却を行い、毎期費用として配分していきます。一方リース負債については、利息法を用いて各期の利息相当額を利息費用として認識し、実際のリース料の支払いによって元本部分を返済して残高を減らしていきます。
計算のイメージをお伝えします。期首のリース負債残高に割引率を乗じた金額が、その期の利息費用となります。支払ったリース料のうち、この利息費用を超える部分が元本の返済に充てられ、負債残高が徐々に減っていきます。期間の初めほど残高が大きいため利息費用も大きく、後半になるほど利息が小さく元本返済が進むという推移をたどります。加えて使用権資産の減価償却費も計上されるため、従来は支払リース料という一本の費用だったものが、減価償却費と利息費用という性質の異なる二つの費用に分かれて損益計算書に表れる点も、従来との大きな違いです。
このように、当初測定では割引率と原状回復費用等の見積り、事後測定では償却方法や負債残高の管理が実務上の論点となります。新基準は原則として2027年4月1日以後開始する事業年度から適用され、早期適用も認められています。次回は、リース期間の決定や割引率の設定など、測定の前提となる重要な見積りについて掘り下げてご説明します。
新リース会計基準への対応(影響度の把握、契約の棚卸し、会計処理やシステムの整備、監査対応)にご不安があれば、基準に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。




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