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No.196(2024/03/01):【新リース会計基準⑤】割引率の決定――どの利率を使うか

更新日:6月12日


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。



毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによるメールマガジンの転載となります。

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本シリーズ「新リース会計基準」(全10回)の第5回です。今回は、割引率の決定――どの利率を使うかについてお伝えします。



リース取引について、新しい会計基準では、借手は原則としてすべてのリースについて資産と負債を計上することになります。このうちリース負債は、将来支払うリース料の総額をそのまま並べるのではなく、それらを現在価値に割り引いた金額で測定します。将来のお金は、利息の分だけ現在の価値より大きいと考えるためで、この割り引きに用いる利率が割引率です。割引率が変われば計上されるリース負債と使用権資産の金額も変わりますので、どの利率を使うかは、見た目の地味さに反して、実務上きわめて重要な論点となります。


新基準では、用いるべき割引率に優先順位が定められています。まず、そのリースに固有の計算利子率、いわゆるリースの計算利子率が判明する場合には、それを用います。これは、リース料の現在価値などが、貸手が負担するリース対象資産の価額等に一致するように決まる利率で、いわばそのリース契約に内在している利回りです。ただし、この利率を借手が把握するには、貸手側の資産の公正価値や見積残存価額といった情報が必要になります。これらは借手にとって入手が難しいことが多く、実際には計算利子率が判明しないケースが少なくありません。


計算利子率が判明しない場合には、借手の追加借入利子率を用います。これは、借手が同等の期間にわたり、同等の担保のもとで、使用権資産と同様の価値の資産を取得するために必要な資金を借り入れるとしたら、何パーセントで調達できるか、という想定上の利率です。考え方は明快ですが、実務ではこの算定が最も悩ましい部分になります。自社の信用力をどう反映するか、リース期間に対応した利率をどう求めるか、外貨建てのリースであればその通貨での調達コストをどう見積もるか、といった要素を一つずつ検討しなければなりません。基礎となる利率に自社の信用スプレッドを加味し、期間に応じて調整するなど、相応に体系立った見積りが求められ、なぜその利率としたのかを説明できる根拠の整備も欠かせません。


割引率は、リース負債の金額そのものを左右するだけでなく、その後に費用として配分される利息相当額にも影響します。一度の判断が複数年度の決算に及びますので、契約ごとに機械的に決めるのではなく、自社としての算定方針をあらかじめ整理しておくことが、対応の質を大きく左右します。新基準は原則として2027年4月1日以後開始する事業年度から適用され、早期適用も認められています。割引率の考え方は、準備の早い段階で整理しておきたい論点の一つといえます。



新リース会計基準への対応(影響度の把握、契約の棚卸し、会計処理やシステムの整備、監査対応)にご不安があれば、基準に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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