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No.195(2024/02/23):【新リース会計基準④】リース期間の見積り――延長・解約オプションの扱い


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。



毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

(このコラムは大門綜合会計事務所スタッフによるメールマガジンの転載となります。

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本シリーズ「新リース会計基準」(全10回)の第4回です。今回は、リース期間の見積り――延長・解約オプションの扱いについてお伝えします。



リース期間という言葉を聞くと、契約書に記載された賃貸借期間がそのまま当てはまると思われるかもしれません。しかし、新リース会計基準(企業会計基準第34号、原則として2027年4月1日以後開始する事業年度から適用、早期適用も認められています)における「リース期間」は、契約上の年数を機械的に拾うものではありません。借手が解約することができない期間、すなわち解約不能期間を出発点とし、これに延長または解約のオプションのうち、借手がそのオプションを行使することが合理的に確実であると判断される期間を加減して見積もります。延長オプションを行使することが合理的に確実であれば、その延長期間をリース期間に含めますし、逆に途中解約するオプションを行使することが合理的に確実であれば、その分を短く見積もることになります。


ここで重要なのは、「合理的に確実」かどうかの判断に、経営者の見積りが入り込むという点です。たとえば五年契約に二年の更新オプションが付いている店舗賃貸借を考えてみます。立地が事業上不可欠で、内装に多額の投資をしており、移転には相応のコストがかかる、過去も継続的に更新してきた――こうした事情があれば、更新を行使することが合理的に確実とみて、リース期間を七年と見積もる余地が生まれます。同じ契約でも、移転が容易で代替物件が豊富であれば、判断は変わり得ます。つまり、契約書だけを見ても答えは決まらず、経済的なインセンティブや過去の慣行、事業計画といった事実関係を踏まえて判断する必要があるのです。


この見積りは、決して形式的な手続きではありません。リース期間が長くなれば、計上される使用権資産とリース負債の金額はその分大きくなり、財務諸表の姿が変わります。短く見積もれば負債は小さく表示されますが、実態と乖離していれば監査上の論点となります。


実務でつまずきやすいのは、第一に、延長や解約のオプションが契約書の中に明記されておらず、慣行や黙示の合意として存在している場合の拾い上げです。第二に、判断の根拠を後から説明できる形で残しておくことです。なぜその期間が合理的に確実といえるのか、どの事実に基づいて判断したのかを文書化しておかなければ、監査人への説明や翌期以降の見直しの際に苦労します。第三に、一度見積もって終わりではなく、重要な事象や状況の変化があれば見積りを再評価する必要がある点です。


リース期間の見積りは、新基準対応の中でも経営者の判断が色濃く反映され、かつ計上額に直結する論点です。自社の主要なリース契約について、オプションの有無とその行使可能性を一件ずつ棚卸しし、判断の根拠を整理しておくことが、スムーズな基準適用への第一歩となります。



新リース会計基準への対応(影響度の把握、契約の棚卸し、会計処理やシステムの整備、監査対応)にご不安があれば、基準に精通した公認会計士にご相談いただくのが近道です。大門綜合会計事務所の監査・コンサルティングのご相談はこちらから承っています。



それでは、今日はこの辺で。

良い週末をお過ごしください。

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