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大門綜合会計事務所スタッフです。
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第189回の今回は、「循環取引の未然防止に
向けた内部統制をJICPAなど3団体共同研究報
告の公開草案を公表」についてご紹介します。
日本公認会計士協会(JICPA)、日本監査役
協会、日本内部監査協会は、循環取引に対応
する内部統制に関する共同研究報告の公開草
案を発表しました。
<「循環取引に対応する内部統制に関する共同研究報告」(公開草案)の公表について>
2023年11月27日 日本公認会計士協会
循環取引が近年も後を絶たない状況を受け、
それを阻止できる組織や内部統制のあり方な
どを研究し、取りまとめているものとのこと
です。
ご存知かと思いますが、循環取引とは複数の
企業が共謀して商品転売などの相互発注を行
い、実質的に架空の売上高を生成する手法で
あり、
取引が実際に発生していることが多いため、
不正の中でも発見することが難しいと言われ
る不正の一つです。
この研究報告では、循環取引を示唆する状
況・兆候の具体的事例を整理し
、循環取引が含まれる取引の未然防止に重点
を置くことの重要性と有用な対応策を示して
います。
簡単に引用、要約すると
・経営者や重要な役割を担う従業員による循
環取引:意図的に循環取引を行うケースがあ
り、社内外の情報を基に指標設定し、シナリ
オ分析に基づく内部統制の整備・運用が有用。
・取引の事前審査:受注前に取引の合理性や
自社の役割を審査し、業務内容・納期・エン
ドユーザーを把握することで、けん制効果を
高める。
・新たな取引先との取引:取引の必要性や相
手の取引履行能力を慎重に検討。
・内部通報制度と人事制度:内部通報制度の
適切な運用と、人事ローテーションや連続休
暇制度などを含む人事制度の整備が不正防止
に不可欠。
というもの。
循環取引の未然防止に向けた内部統制の強化
は、企業の信頼性と透明性を高める上で極め
て重要です。
内部統制システムを適切に設計し、運用する
ことにより、循環取引のような不正行為を効
果的に検出し、防止することが可能になりま
す。
特に、取引の透明性を高め、データ分析を活
用することで、不審な取引パターンを早期に
発見できます。
不審な取引パターンからその要因を追及して
いくことで、循環取引を発見することが可能
となります。
また、従業員への教育と訓練は、不正行為の
意識を高め、社内での報告文化を促進する重
要な要素となります。
企業は、内部通報制度の強化とともに、従業
員が安心して報告できる環境を整えることが
求められるでしょう。
さらに、取締役会や内部監査部門の機能強化
は、全社的な内部統制の構築に不可欠です。
これらの取り組みにより、企業は循環取引を
含む不正行為を未然に防ぎ、持続可能なビジ
ネスを展開することができると言えます。
今回は「循環取引の未然防止に向けた内部統
制をJICPAなど3団体共同研究報告の公開草案
を公表」についてお伝えしました。
それでは、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしください。
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