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No.165(2023/6/2): SaaS導入にかかる初期設定費用の会計処理


こんにちは


大門綜合会計事務所スタッフです。


毎週金曜日、会計・財務、税務、監査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えしています。

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165回目の今回は、今では一般的に普及して

いるクラウドサービスのようなSaaS導入に関

する会計処理、特に初期設定費用についての

会計処理についてお伝えします。



SaaS(Software as a Service)はソフトウ

エアを企業等のシステム自体に導入する、い

わゆるオンプレミス型のソフトウエアではな

く、


クラウド上で提供されたソフトウエアを導

入・使用するもので、昨今のソフトウエアと

しては一般的なものとなっており、


今や企業にとって避けて通れない選択肢の一

つとなっています。


では、SaaSを導入する際に発生する初期費用

の会計処理(税務上ではなく企業会計上)に

ついては、具体的にどのように行われるので

しょうか。


たとえば、特定の企業のビジネスモデルに対

応するための独自の機能を追加する場合や、


既存の業務プロセスを反映するためにSaaSを

カスタマイズする場合、これらは「企業固有

のセットアップ」と考えることができます。


それについては、日本会計士協会から以下の

ような研究資料が公表されています。


<会計制度委員会研究資料第7号「ソフトウ

ェア制作費等に係る会計処理及び開示に関す

る研究資料 ~DX環境下におけるソフトウェ

ア関連取引への対応~」及び「公開草案に対

するコメントの概要及び対応」>

https://jicpa.or.jp/specialized_field/fi

les/2-11-7-2-20220630.pdf



こちらの研究資料には


・初期設定費用、カスタマイズ費用について

は、我が国の研究開発費等会計基準における

ソフトウエアの定義を満たすが、


自社利用目的のソフトウエアに対する支配を

有していないと考えられ、資産計上は出来な

いと考えられる。


・一方で、初期設定費用は、将来のキャッシ

ュ獲得に貢献する経済的資源であり、そこか

ら生み出される便益を享受出来るため、


当該経済的便益に対しての支配が存在してい

る可能性があると思われる



・よって、SaaSにかかる初期費用は資産性の

要件を満たす可能性がある



と記述されています。



要は、現行の会計基準におけるソフトウエア

の資産計上の要件は満たさないが、資産性の

要件は満たすので、


ソフトウエア以外の資産(前払費用等)で計

上することが考えられる、という内容です。





以上のように、SaaSにおける毎月の利用料は

当然に費用計上されますが、


SaaSを導入する際の初期設定費用(セットア

ップ費用等)については、その将来の経済的

便益があると考えられる場合には、


資産性があると考え、前払費用等として計上

すべきということをこの研究報告は示してい

ます。

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